財務省の決裁資料改ざん問題をめぐり、理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問が2018年3月27日に行うことが決まった。財務省は、改ざんは理財局の判断で行われ、その責任は佐川氏にあったと主張している。
そんな中で、立憲民主党の枝野幸男代表は3月21日に行った街頭演説で、「佐川さんがひとりでやったはずがない」として、「佐川さんに期待しましょうよ!」と呼びかけた。ただ、森友問題でかつて証人喚問された前理事長の籠池泰典被告=詐欺罪などで起訴=は、「刑事訴追の恐れがある」と証言拒否を連発。それ以外の過去の証人喚問でも新事実が明らかになった例は多くない。
辞任会見では「コメント控える」の一点張り
佐川氏は3月9日に国税庁長官を辞任した際の記者会見で、朝日新聞が指摘していた「書き換え」疑惑について、大阪地検の捜査を理由に
「私のほうからコメントすることは一切差し控えさせていただきたい」
などと繰り返すばかりだった。財務省が書類の改ざんを国会で認めたのは3日後の3月12日。改ざんを財務省が認めてから佐川氏が公の場で口を開くのは、この証人喚問の場が初めてだ。
この証人喚問に期待を寄せるのが枝野氏だ。枝野氏は街頭演説で、
「佐川さんがひとりでやったはずがない。文書を改ざんしても、ばれたらとんでもないことになるというリスクを背負うというだけで、何の得にもならない。なのに、なんで佐川さんが改ざんするのか」
などと「佐川氏が責任者」とする政府見解を批判。その上で、佐川氏の証人喚問について次のように述べた。
「こんなものは入り口の入り口でしかない。文書の偽造で罪に問われるかもしれない。証言拒絶権を佐川さんは持っている。ですから、洗いざらい話してくれるかはわからない。でも皆さん、佐川さんに期待しましょうよ!佐川さんも間違いなく、今を去ること40年前には、この国の未来のために大蔵省に入省したのではないか。その『初心を今こそ取り戻して、国民のために証言してくれ』。そういう声を国民の皆さん、あげようじゃありませんか!」