「代わりにお別れ会を執り行うことになりました」――歌手・有坂愛海さん(31)が2018年3月20日、孤独死したファンのために「追悼ライブ」を開催するとブログで発表した。
ファンは55歳の男性で、有坂さんのデビュー以降、10年以上にわたり応援を続けていたという。
住所を突き止め安否確認に向かうも...
「私がお知らせするのも不思議と思われるかもしれませんがご家族がいらっしゃらないので代表してお知らせ致します」との切り出しで始まったブログ記事。有坂さんを熱心に応援していた中年男性が昨17年夏、死去していたと報告された。
「おっきゃん」の愛称で親しまれたこのファンは、有坂さんのデビュー以後、イベントには欠かさず参加し、ファンの間でも一目置かれた人物だった。
だが、17年8月ごろからSNSの更新が止まり、ライブにも顔を見せなくなった。
心配した有坂さんは、ある行動をする。
「私は事務所も入ってないし、迷惑をかけるメンバーもいないので自分の意思でおうちを調べて会いに行きました」。
本人が以前に伝えていた個人情報やメールのやりとりから住所を特定。安否確認に向かうと、近所の住民から「おっきゃん」の訃報が知らされ、自宅で孤独死したとする説明を受けたという。
「にぎやかな事が好きだったので」と追悼ライブを決意
おっきゃんに家族はなく、葬式が挙げられる予定もなかった。そこで、有坂さんは
「明るくにぎやかな事が好きだったので楽しくみんなで集まれば本人もきっと喜んでくれることと思います」
と追悼ライブを決意した。
有坂さんがブログ記事を自身のツイッターで紹介したところ、22日現在で3万4000リツイートと大きな反響を呼び、
「涙が止まりませんでした。ステキな関係性だと思いました」
「ここまでアーティストに思われているファンって中々居ないよね。面識無いけど言いたい。『自分の推しを悲しませるなんて、この大バカやろ』って」
「ブログ泣きました。ファンとアーティストと言う前に人間と人間なんですよね。失えば悲しいです」
といった声が寄せられた。
有坂さんはブログの最後、
「いつか『空で見守ってくれている』なんて今はちっとも響かない言葉を受け入れられる日が来るかなぁ」
と綴っている。追悼ライブは4月11日、「初台DOORS」(東京都渋谷区)で行われる。