「拝啓 安倍昭恵さま 僭越ながら、今は行動自粛されては」――こんな見出しを取ったコラムを産経新聞が掲載した。
比較的安倍政権に近い立場で知られる産経新聞が、こうした首相の「身内」を批判するともとれる記事を掲載するのは珍しい。
昭恵夫人は「政権の足を引っ張りつつある」
「拝啓 安倍昭恵さま」の記事は2018年3月21日朝刊(東京本社版)の「政論」欄に掲載。学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる問題で、昭恵氏の国会招致に向け野党が攻勢を強めるとしたうえで、
「肝心の昭恵氏はといえば、自身の置かれた状況にはふさわしくない言動が散見される」
と、昭恵氏について言及。11日の「野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね」という内容を含むフェイスブックの投稿に「いいね!」を押したことを引き合いに、
「安倍首相が置かれた立場を踏まえた言動は常に求められる」
と襟を正すよう求めた。
さらに、昭恵氏が「政府・与党内だけでなく安倍首相を支持する層にも疑問符を広げ、政権の足を引っ張りつつある」とし、
「首相夫人に対して大変僭越(せんえつ)ながら、ここは行動を自粛なさってはいかがだろうか」
と締めくくった。
ただ、今回の記事でも「昭恵氏は多くの人が認める魅力的な女性」とし、潰瘍性大腸炎で第1次内閣を退陣した安倍首相を支えたことや、障害者福祉や環境問題への尽力、総裁選で安倍首相の背中を押したことなど、肯定的な面にも触れている。