上司のご機嫌をうかがったり、その一言一言を忖度したりと、いつの時代もサラリーマン稼業はラクではないようだ。
1997年から2003年にかけて放映された人材派遣のスタッフサービスのテレビCM「オー人事」シリーズが20年ぶりに復活、話題を呼んでいる。テレビから流れてくるチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に、懐かしさとともに「今も変わらないな」と感じている人が少なからずいるらしい。
今も昔もトンデモ上司とゴマすり部下は存在
ゴルフ場で役員らしき人がパットを打った後、部下たちがグリーンの端を懸命に持ち上げてボールをカップインさせる――。そんな上司と部下をめぐる、あり得ないけど、あってもおかしくない「ブラック」なシーンを描いて話題になったテレビCMが帰ってきた。
20年前は、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」の旋律に合わせて流れる「上司(会社、職場、同僚、部下のパターンがある)に恵まれなかったら、0120-022(オー人事)-022(オー人事)」のフレーズが頭を離れなくなるほど、大ヒット。サラリーマンの「あるある」心理を突いた内容が、好感を得た。
そんな印象的なスタッフサービスのCMの新バージョン(5本)が、2017年秋からユーチューブ(YouTube)で公開。18年に入ってからは、テレビでも放送されている。
「オー人事」のCMに、インターネットの掲示板などには、
「着メロを弦楽セナーデにしてた。仕事中に上司の前で流れてあせったw」
「このシリーズ大好きだったよ。おじさんバニーガールが好きだった。あとゴルフ編も」
「久しぶりに見た。ブラック企業大国ニッポンっていうか、忖度政治がまかり通ってるんだから、国ごとブラックってことだなwww」
といった声が寄せられ、懐かしがったり、現代に照らし合わせたりしている。
なぜ、このタイミングで復活したのか――。J-CASTニュースの取材に、スタッフサービスグループの広報担当者は「20周年を記念して制作しました。これまで社内からもたびたび『復活しないの』といった声はあったのですが、予算も含め、なかなかタイミングがあわなくて」と話す。
この20年で、働く環境や働き方は大きく変わった。「現場ではさまざまなミスマッチが存在しており、それを解消するため、スタッフサービスは20年前から変わらず、求職者にはよりよい職場を、求人企業には最適な人材を提案する、ベストマッチングをご提案しています。そのことを改めてみなさんに知っていただくとともに、引き続き人材のミスマッチングを解消していきたいと考えました」と説明する。
20年前には「ブラック企業」「ブラック職場」という表現はなかったが、とんでもない上司や、そんな上司にゴマする部下や同僚は今も「健在」。職場での異様なシーンに困惑するマジメな社員がスタッフサービスに電話をかけて、つながった後に安堵の表情を浮かべる定番のスタイルは、新CMも同じだ。