キャッシュバックや増配、値下げ
今回、業界最大手の日本生命保険は4月に新規契約の死亡保険の保険料を引き下げる。期間10年、保険金額2000万円の場合を例にとると、40歳男性で12%の値下げとなる。三井生命保険や富国生命保険、朝日生命保険、ソニー生命保険も4月から一斉に値下げに踏み切る。第一生命保険は標準生命表改定分の値下げに加え、健康診断結果の提出によって保険料を最大2割値下げする方向だ。
明治安田生命保険はこれを一歩進め、健康診断の結果が良好なら保険料の一部をキャッシュバックする制度を2019年4月に導入する方針だ。毎年、血液や尿の検査数値を提出してもらい、医療保険の契約者の健康への意識を高める。死亡保険だけでなく、一部の医療保険への導入も検討する。
一方、日本生命は既契約者には増配で報いる方針で、2018年3月期分について、個人契約の配当を約300億円増やす。増配は配当のある契約の約7割に当たる700万件が対象。今回の増配額は前回増配した16年3月期の約30倍で、前回の標準生命表改定時の07年3月期(約460億円)に次ぐ規模となる。明治安田生命保険も300万件を対象に70億円、富国生命は111万件を対象に34億円増配する方針。
また、長生きリスクの高まりによって医療保険は本来、数%の値上げとなる局面だが、日本生命は販売への影響を抑えるため、新規加入分について保険料を現状通りに据え置く見通し。第一生命は一部の医療保険の保険料をむしろ値下げする方針だ。