EVとの差
FCVがEVに勝っているのは1回の燃料補給時間が3分程度で、ガソリン車並みに短いこと。EVは急速充電器でも1回の充電に十数分から数十分かかる。1回の補給で走れる航続距離も最大700キロ程度と、EVの2倍かそれ以上だ。ただし定価は700万円台と庶民にはなかなか手が出ない。EVと違って参入しているメーカー、車種は少なく、選択肢も限られることもあって、劣勢は否めない。
家電の世界では、かつてVHSとベータの「ビデオ戦争」でベータが負け、液晶とプラズマが争った薄型テレビはいつの間にかプラズマが市場から消えた。FCVはどんな運命をたどるのか。家電に比べ、投資額が桁違いに大きいだけに、覇権争いに敗れたときのダメージは計り知れない。
今、手を打っておかないと、取り返しのつかないことになる。FCV陣営はもはや「背水の陣」と言えるのかもしれない。