かえって効率的でなくなる可能性も...
オリジン東秀の「セルフレジシステム」導入に、市場調査会社「エヌピーディー・ジャパン」(東京都港区)の東さやか・フードサービスシニアアナリストも「理にかなっているのではないか」と太鼓判をおす。その上で、
「弁当・惣菜店では昨今、市場規模の縮小、客数の低減が進んでおり、人手不足に歯止めがかからず、人件費が上昇しています。店側はセルフレジの導入で人件費を抑えられますし、消費者も清潔感を感じられるでしょう」
と説明した。
ただ、外食、小売り企業がこうして「セルフレジシステム」を導入したからといって、必ずしも功を奏すとは限らない。東氏が例に挙げるのは、「ジョナサン」や「ガスト」などのファミレスを展開する外食大手の「すかいらーく」だ。2017年6月までに21店舗で試験的にセルフレジを導入している。
「ファミレスの客が本来、求めているのは『おもてなし』です。接客やコミュニケーションが重視される傾向にあるため、セルフレジの導入が客の満足度に影響を及ぼしたようです」
新日本スーパーマーケット協会がまとめた2017年版の「スーパーマーケット年次統計調査 報告書」によると、セルフ精算レジまたはセルフレジのいずれかを設置している企業の割合は48.6%となっている。セルフ精算レジの設置率は42.1%で、セルフレジの設置率(一部店舗含む)16.5%を上回っていた。
セルフ精算レジとセルフレジの違いは、店舗の従業員がバーコードを読み取る作業を担当するかどうかだ。東氏によると、たとえばスーパーマーケットなどでセルフレジを導入した場合、客はバーコードのスキャンに手間取り、かえって効率的でなくなる可能性もあるという。
「デメリットを相殺するメリットがあるか。これが大事です」