レスリングのパワハラ告発状に反論した谷岡郁子・至学館大学長に、小池百合子・東京都知事を重ねる声が出ている。
2018年3月16日放送の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)では、スポーツジャーナリスト・小林信也氏の「ある指摘」に対し、安藤優子キャスターが「小池百合子・東京都知事がそういう手法を取りましたよね」とフラッシュバックさせた。
「新たな『メディア』という敵をつくった」
谷岡学長は15日の会見で、告発状で伊調馨選手へのパワハラ加害者と指摘された至学館大レスリング部監督の栄和人・日本レスリング協会強化本部長を、「パワーのない人間によるパワハラが一体どういうものであるか、私には分かりません」と擁護。伊調選手については「そもそも伊調馨さんは選手なんですか」と疑問を投げかけ、告発状の内容は「訳が分からない」などとして否定した。
パワハラ問題は協会の第三者機関や内閣府による調査の途上にあるなかで、告発内容を事実無根と決めつけるような主張は不評を買った。ワイドショーなどメディアでも谷岡学長への否定的な見解が相次いでいる。
スポーツジャーナリストの小林信也氏は16日放送の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)で、「自分に寄ってくる方に対しては優しいんだけれども、自分から離れた方に対する配慮が、会見ではまったく感じられませんでした」と印象を述べた。
また、谷岡学長が参議院議員時代の2013年、東京都議選の選挙期間中に「女性たちの思いが届かないでどうやってよい東京になるのか」などと述べた街頭演説が番組で紹介されると、小林氏は
「今の演説にもありましたけど、割りと敵をつくって何かを進めるタイプにも見えます。今回の(レスリングの)問題もどちらが悪いかでなくて、みんなが良くなればいいねと思っているのに、また新たな『メディア』という敵をつくった。そういうやり方・発想の方なのかなと」
と分析している。
「抵抗勢力をつくって物事を進める」
すると安藤優子キャスターがハッとしたように、
「あえて抵抗勢力をつくって物事を進めるというのは、小池百合子・東京都知事がそういう手法を取りましたよね」
と反応した。
小池氏は当時衆議院議員だった2016年7月の都知事選で、「ブラックボックス」などの言葉を使って都政や自民党都連という明確な「敵」を立て、結果的に多くの支持を得て当選を果たした。
ツイッターでも「至学館の谷岡郁子氏と都知事の小池百合子氏 顔や性格が何となく似ている」などの声が見られる。