「レオン」「フィフス・エレメント」などの作品で知られるリュック・ベッソン監督(58)が、日本で行われた新作映画の告知イベントを「途中退場した」と報じられた。ネット上では、仏映画界の巨匠が取った行動をめぐって様々な憶測が広がっている。
一方、イベントの会場にいた主催者側の関係者はJ-CASTニュースの取材に対し、「ベッソン監督が途中退場したという事実はありません」と報道の内容を否定。いったい、現場では何が起きていたのか。
日刊ゲンダイ「ゆりやんにドン引き?」報道
ベッソン監督は2018年3月13日夜、東京・六本木で行われた新作映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」のジャパンプレミア(日本最速試写会)に出席した。
このイベントには、日本語吹き替え版の声優を担当したお笑い芸人のゆりやんレトリィバァ(27)とロックバンド「THE ALFEE」の3人も出席。ゆりやんはステージ上で、監督に向けてボケを連発していた。
こうしたイベントについて、会場にいた「日刊ゲンダイ」(ウェブ版)は14日、ベッソン監督が途中退場したと報じた。記事のタイトルは、「ゆりやんにドン引き? リュック・ベッソン途中退場の顛末」というもの。
記事によれば、セクシーな衣装を着たゆりやんは、壇上で「アイ・アム・セックスシンボル」などと監督にアピール。しかし、その直後に行われたというフォトセッションの途中で、監督は「オーマイガー」とつぶやき、イベントを途中退場したのだという。
こうした報道を受けてツイッターやネット掲示板では、ベッソン監督はゆりやんのボケに気分を害して退場したのではないか、といった憶測が流れることになった。
「作品への敬意がないって悲しくなって退場したんでしょ」
「真剣に取り組んだ自分の作品を茶化すような奴が出てきたら怒るでも笑うでもなく帰るわな」
「これ、リュック・ベッソン監督がゆりやんレトリィバァに不快感示して退出したんじゃ...」
「進行に多少イレギュラーな部分があり...」
ただ、ベッソン監督の行動を報じたのはゲンダイだけではない。映画専門情報サイト「シネマトゥデイ」は13日深夜の記事で、
「ベッソン監督はマスメディア相手の写真撮影は好きではないのか、はじまって即座にその場を離れてしまうアクシデント」
があったと伝えている。さらにゆりやんと監督のやり取りについては、2人がギャグの応酬を見せるなど「息ぴったり」な様子だった、としていた。
そのためネット上には、この報道とゲンダイ記事を比較するような形で、
「ゆりやんの事を、ベッソン監督怒ってないらしい。。どの情報が正しいのか」
「こっち(シネマトゥデイ)の記事だとベッソン監督、別に怒ってたわけではなさそう」
「それにしても真逆の論調で報道が出るのはどうなよ」
といった書き込みも出ている。
いったい、現場では何があったのか。主催者側の関係者は15日、J-CASTニュースの取材に対し、「そもそも、ベッソン監督が途中退場した事実はありません」と報道内容をきっぱりと否定する。
「イベントの進行に多少イレギュラーな部分があり、結果的に監督が先に会場を後にするという形になっただけです。ベンソン監督が勝手に途中退場したというような一部報道は、事実ではありません」
また、ゆりやんと監督のやり取りについても、「終始、ジョークを交わすなど和やかな様子で、監督が気分を害した様子は一切ありませんでした」と話していた。
メディア関係者「『途中退場』と言われても仕方ない」
ただ一方で、今回の騒動についてあるメディア関係者は、
「フォトセッションの途中で監督が退場してしまったので、その後に予定されていたムービーの撮影ができなかったそうです。テレビ関係者も困惑していたとのことでしたし、『途中退場』と言われても仕方ないのでは」
と話している。
こうした点について、上述の主催者側関係者に改めて尋ねると、「イベントの進行に遅れがあって、ムービー撮影の時間が取れなかったのです。いずれにしろ、途中退場があったという報道は事実ではありません」と強調していた。