これがレスリング協会不信の原点――伊調パワハラ告発の弁護士が明かす「重大事故」

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   「内閣府への申し入れの原点である大学生の事故」――。レスリングの伊調馨選手へのパワハラ問題で、告発状を提出した弁護士が内閣府の聞き取り調査を報告した文書にある一節だ。

   告発状が出される前、大学生の選手が日本代表合宿で重傷を負った。日本レスリング協会は保険をかけていなかった。「本当にカネがなかったのか」。さまざまな疑問が生じた原点はここにある。

  • 伊調馨選手と栄和人監督
    伊調馨選手と栄和人監督
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「国からの助成金はどう使われているのか」

   栄和人・強化本部長によるパワハラ実態の告発状を内閣府に提出した貞友義典弁護士は2018年3月13日、同府の公益認定等委員会による聞き取りを受けたことを明かした。

   ともに聞き取りを受けた安達巧氏(告発状の「B氏」、バルセロナ五輪代表)は「内閣府への申し入れの原点である大学生の事故」について、「本当にスポーツ団体保険金を掛ける金もなかったのか」などの調査を求めたという。

   貞友弁護士が14日、J-CASTニュースの取材にこう語る。

「『協会には協賛金やテレビ放映権料など多額のお金が入っているのに、どうしてこの保険をかけなかったのか。国からの助成金はどう使われているのか。帳簿上の数字があっているかだけでなく、その中身を調査していただきたい』といったことを、安達さんは内閣府の聞き取りで強く訴えていました」

   17年9月、全日本の男子レスリング代表強化合宿のスパーリングで、拓殖大学の谷口慧志選手が「頚椎損傷」の重傷を負った。この件を報じた週刊文春17年11月30日号によれば、谷口選手は首から下が自力で動かせず、車いすに乗るためのリハビリをしている。合宿の責任者は栄氏だったが、事故の対応は別の強化副本部長に一任。協会から公表などはされなかった。

   元ナショナルコーチで日本体育大学監督などを歴任してきた安達氏がこの問題を見過ごせず、医療裁判も手がけている貞友弁護士に知人の紹介で相談を持ちかけたという。

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