米国のトランプ大統領と対照的に「対話路線」が際立っていたティラーソン国務長官が2018年3月13日、突然解任された。トランプ氏は5月中にも北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩委員長と初の首脳会談に臨みたい考えで、会談をめぐる交渉過程ではティラーソン氏はすでに「蚊帳の外」だったとみられる。
トランプ氏がティラーソン氏の後継に指名したポンペオ中央情報局(CIA)長官はティラーソン氏よりもタカ派として知られ、仮に首脳会談が不調に終わった場合、一気に軍事オプションの発動につながるのではないかという懸念も出ている。
北朝鮮に対し強硬姿勢が目立つ
トランプ氏はティラーソン氏の解任をツイッターで発表。その後トランプ氏は記者団に対して、ティラーソン氏とは「相性」が合わなかった、などと説明した。一方、トランプ氏は後任のポンペオ氏について、「我々は思考プロセスが非常によく似ている。非常にうまくいくと思う」と称賛した。
ポンペオ氏はティラーソン氏に比べて北朝鮮に対して強硬姿勢が目立つ。17年7月にコロラド州で行われた安全保障フォーラムでは、北朝鮮の核・ミサイル問題について
「(トランプ)政権の観点からできることで最も重要なのは、(核で攻撃する)能力と、(それをしようとする)意図を持つであろう人を切り離すことだ」
と発言。正恩氏の排除が望ましいとの見方を示唆。CNNテレビによると、その後の質疑応答で、正恩氏の追放が「まぎれもなく良いこと」だとは思わないとしながらも、「北朝鮮の人々は、彼が去ることを喜ぶだろうと思う」とも述べた。
18年3月11日に出演したフォックスニュースの番組でも、北朝鮮がミサイル発射が停止された「完全で、検証可能で、不可逆的な証拠」を提供しない限り、制裁を緩和するなどの譲歩はしないと強調した。