昭恵夫人が「いいね」した「野党のバカげた質問」投稿、全文読むと印象異なる?ネットで賛否

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   「森友」決裁文書の改ざん問題で、渦中の安倍昭恵・首相夫人がフェイスブックで「野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね」などとする投稿に「いいね」を押した――。2018年3月13日から14日にかけて、大手メディアが取り上げたニュースを巡りネットでは賛否激論となっている。

   昭恵氏を批判する声が上がる一方で、「印象操作」などとマスコミへの批判も噴出している。実際、昭恵氏が「いいね」を押した投稿は、何について書いているのか。

  • 安倍昭恵夫人(写真は2017年3月撮影)
    安倍昭恵夫人(写真は2017年3月撮影)
  • 安倍昭恵夫人(写真は2017年3月撮影)

「物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべき」

   問題の書き込みがあったのは、2018年3月11日。この日、昭恵氏はフェイスブックで、東日本大震災の大津波で児童の7割が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校の慰霊祭を訪問したことを明かし、こう記した。

「今後どんな自然災害が起ころうとも、学校で多くの子どもたちが亡くなるようなことがありませんように」

   これに反応して、一般のユーザーが以下のコメントを寄せたのだ。

「お疲れ様です。明日のよりよい世界を構築していくためには、日本ではやらなきゃならない問題があり過ぎますね、総理夫人としてお立場上、非常に難しいこともあると思いますが、今後とも大いにご活躍お願い申し上げます。野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね。世界が毎日かなりのスピードで変わっているというのに、ホント国会には、世間には先を読めない、読むこともその匂いさえ嗅ぐことも出来ない人間が多過ぎますね。与党とか野党とかそんなケチなことを言わず、これからは皆のために、物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべきなんですがね。理想論になりますが、いずれは日本でも大学まで学費無料、医療費(入院代・治療費)無料等々無限にあります、しなきゃいけないことは。大震災が起きれば、国が率先して社会住宅を全面的に支援しなきゃいけませんよね」

   ユーザーのコメントはまず、安倍夫妻をねぎらうところから始まっている。次に国会批判がきて、その中に「野党のバカげた質問ばかり」の表現が出てくる。後段は「これからは皆のために、物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべき」と持論を展開、学費の無料化など政策面にも言及して終わっている。

   昭恵氏はその後、このコメントに「いいね」を付けた。2018年3月14日現在、このコメントは削除されている。

朝日「バカげた質問」読売「バカげた質問」

   昭恵氏の「いいね」問題は、朝日新聞(ウェブ版)が2018年3月13日15時30分ごろ、他社に先駆け報じた。「昭恵氏、『野党のバカげた質問ばかり』に『いいね!』」と題する記事で、こんな書き出しで始まる。

「『野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね。国会には、世間には先を読めない人間が多過ぎますね』などと記した投稿があり、昭恵氏のアカウントから『いいね!』ボタンが押されていることが13日、分かった」

   記事後半では、「『物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべき』とも書き込み、学費や医療費の無料化などに取り組むべきだと主張していた」と伝えた。

   朝日が配信した記事を受け、新聞やテレビなどが一斉にこの問題を報じた。2018年3月14日現在までに、活字メディアは以下のような見出しで伝えている。

「昭恵氏、『野党のバカげた質問ばかり』に『いいね!』」(朝日新聞)
「『野党のバカげた質問』投稿に昭恵氏『いいね』」(読売新聞)
「安倍昭恵夫人、フェイスブックで『野党のバカげた質問ばかり』の投稿に『いいね!』」(産経新聞)
「『野党のバカげた質問』に『いいね!』=安倍昭恵氏」(時事通信)
「昭恵夫人が神経逆なで、野党批判書き込み『いいね』」(日刊スポーツ)

   各社とも朝日同様、記事の前段で「野党のバカげた質問ばかり」に焦点を当てており、後段で「~とも記されていた」との構成になっている。

「証人喚問されて同じ事を」「タイトルが意地悪」

   各社がこうした記事を配信したことで、ツイッターやインターネット掲示板では、

「夫が責任を痛感してても、お構いなしなんですね」
「証人喚問されて同じ事言ってみろよ!」
「聞かれたくないことを『バカげた質問』として片付けるしか手が無いのでしょう」

など、昭恵氏を批判する声が噴出した。

   一方、メディアが「野党のバカげた質問ばかり」と記事の見出しに取っていることにも、

「タイトルが意地悪だなぁ。投稿の後半部分の医療費や学費の無償化にいいね!をしたかもしれないのに」
「最後まで読めば、『いいね!』の意味が真逆になる こう言う事をするから、印象操作と言われても仕方ない」
「また切り取りなんですか?文脈までちゃんと記事にしたらどうですか?」

との批判が巻き起こっている。

   中には、

「昭恵夫人の『いいね』は賛成とか同意とかでもなく『良かったね』程度の『いいね』なんでしょう」
「昭恵夫人がFacebookのコメントに『いいね』なんて『コメントありがとう』って既読程度の意味でしょうよ」

との声もあった。

   政治ジャーナリストの安積明子氏は13日、Yahooニュースに配信された朝日新聞の記事に「この記事はちょっと昭恵夫人に気の毒です。彼女にすれば、『FBに書き込んでくれて有難う』くらいの軽い気持ちで『いいね!』を押したのではないでしょうか。すでにある書き込みのうち、いくつか確認してみましたら、そのうち全部に昭恵夫人から『いいね!』が押されていました」とコメントを投稿している。

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