日本レスリング協会の栄和人・強化本部長が伊調馨選手にパワハラをしていたと告発された問題が続く中、協会の女子ワールドカップ(W杯)代表選考をめぐって疑義があがった。
計20人の代表は、大半が全日本選手権で1・2位の成績を収めているが、1人だけ5位だった。スポーツジャーナリストの小林信也氏は「ちょっと無理があると思う」と指摘。その選手は栄氏の娘だった。
「曖昧な部分が残されている」
協会は公式サイトで、2018年3月17~18日に開催される女子W杯の代表について「全日本選手権で1、2位の選手を中心に各階級2選手をエントリーする」と記載している。全10階級20人の選手は、17年12月に行われた全日本選手権で18人が1・2位、1人は3位で、栄氏の娘である65キロ級の栄希和(きわ)選手(23)だけは5位だった。
小林信也氏は14日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で、まず「(全日本選手権65キロ級の)2位は森川美和選手で、ひとつ重い68キロ級のW杯代表になっているんです。女子レスリングの世界では割とよく階級が変わり、この大会も去年は8階級だったのが今回は10階級。それを調整するとき、増量タイプが多い」と、階級の上下があることを説明。ただ、全日本選手権の準決勝で敗れた3・4位相当の選手について、「19歳(今井海優選手)、20歳(榎本美鈴選手)と若く、他の国際大会でも頑張っている」と実績があることにも言及した。
その中で希和選手が選出されたことに「違和感はあるか」と聞かれた小林氏は「ちょっと無理があるなと思いますね」と答えた。また、「五輪の代表選考も、基本は世界選手権でメダルをとるとか、全日本選手権に出るとかあるのですが、それを達成できなかった階級は協会が選考する、という曖昧な部分が残されているんですよね」と指摘した。