職員死亡の森友文書書き換え、三浦瑠麗「人が死ぬほどの問題じゃない」 ネットで賛否

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   国際政治学者の三浦瑠麗氏が、学校法人「森友学園」への国有地売却を担当した財務省近畿財務局職員の死亡が明らかになってから、「人が死ぬほどの問題じゃない」と発言したところ賛否両論が起きた。

   インターネット上では「どんな問題より人命が一番大事ということ」と理解を示す声があるが、「ひとが亡くなったとの報に接した後で口にすべきことではない」と違和感を示す声も数多い。

  • 財務省は2018年3月12日、森友学園に関する決裁文書の書き換えを確認したとの調査結果を発表している
    財務省は2018年3月12日、森友学園に関する決裁文書の書き換えを確認したとの調査結果を発表している
  • 財務省は2018年3月12日、森友学園に関する決裁文書の書き換えを確認したとの調査結果を発表している

「最初は本当に小さな事件から始まったことが人死にを出した」

   三浦氏は2018年3月9日夕、「みんなのニュース」(フジテレビ系)に出演。森友学園をめぐり、担当していた近畿財務局の男性職員が自殺したとみられると報じられた後、次のようにコメントした。

「最初は本当に小さな事件から始まったことが人死にを出したということですけれど、私がやっぱり気になるのは、書き換えに関しては明確な答弁はしていないんですね。そうした時に、本当に官僚としてはしっかり事実を出すと。出すところは出したうえで、責任者は処分する部分は処分するかもしれませんけれども、本当にこの問題というのは、人が死ぬほどの問題じゃないんですよ。ということを、みなさんに対してお伝えしたいなと思います」

   放送直後、物議を醸した。元朝日新聞・特別編集委員の冨永格(ただし)氏はツイッターで同日、「コメンテーターの三浦瑠麗さん『この問題は本当に、人が死ぬほどの問題じゃないんですよ』...ほかに言いようがある。ご遺族の前で同じこと言える?」と投稿。12日までに5000回以上リツイートされ、「間違ってないと思いますよ。みんな過剰になりすぎ」「人の死に対して言葉が失礼です」などと三浦氏へのコメントに賛否両論が相次いだ。

   すると、三浦氏は同日中にツイッターで「この元記者の方が、フジテレビでの発言を悪意ある切り取りにしてデマを拡散しているようですが、財務省は過ちがあるのなら出して明らかにした方がいい。そもそも人が死ななければならないような問題ではないとコメントしていました。悪意を拡散し続けるようならば通報します」と冨永氏に反論。

   すぐに冨永氏が「三浦さんへの悪意はありません。感じたままをツイートしただけです」と返信すると、三浦氏も「発言のどこに共感しなかったのですか。財務省が明らかにすべき、という点ですか、それともこれは人が死ぬべき問題だとでも思うのですか」と再び反論。「そもそも私のツイッターを見れば、いかなる不祥事でも死ぬに値する問題などないと事前にツイートしているのが見えますよね。立派な新聞の元記者の方ですよね」と続けた。

   番組出演前、三浦氏は男性職員の訃報に対し「痛ましいことです。書き換えなどの真相を明らかにすべきとは思いますが、誰かが自らの命を絶つことはありません。不祥事だからといって自殺しなければならないほどのことなんて世の中にはないのです」と投稿している。

「現実に亡くなっている方がいらっしゃる」

   冨永氏はなおも、「返信ありがとうございます。現実に亡くなっている方がいらっしゃるのに、人が死ぬほどの問題ではないと仰ったことへの違和感です。どんな不祥事でも死に値するものはないという一般論には同意しますが、個々の人間はもっと脆いものだと思います」と主張していた。三浦氏と冨永氏の会話はここで途絶えている(12日夜現在)。

   一方、財務省が森友学園に関する決裁文書の書き換えを認める方針だと報じられた10日、映画評論家の町山智浩氏が「書き換えを認めるのがもっと早ければ人が死なないですんだのに」とツイッターに投稿。これに三浦氏が「私もフジで、趣旨はそうしたコメントをしましたが、それを言葉に出して町山さんのようにはっきり言うのは躊躇われました。人は完全ではなく、人の生死については、誰かを責める気持ちが仮にあっても、その相手がもし知人なら言えないだろうと思ったからです。知人に言わないことは他人にも言えないと」と反応している。

   男性職員については、11日の「サンデーステーション」(テレビ朝日系)で取材に応じたという親族の言葉が紹介された。17年8月に電話した際に「異常を感じた。普段弱音を吐かないのに弱音を漏らした」とし、男性職員は「心と体がおかしくなった。自分の常識が壊された。汚い仕事の人はみんな異動したが、自分だけ残された」と話していたという。17年秋から体調を崩して休養していた男性職員は、12月にメールでこの親族に「年明けに復帰したいけど、心と体がついてこない。彼のせいにして幕引きにしないですべてを明らかにしてほしい」と伝えていたという。

   J-CASTニュースは12日昼、三浦氏に番組発言の真意などについて取材依頼を送ったが、同日20時までに返信はない。

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