財務省が森友学園の国有地売却をめぐる決裁書類を書き換えていたとされる問題で、財務省は2018年3月12日、17年2月下旬から4月にかけて、計14の決裁文書で書き換えが行われていたと発表した。
財務省は、国会答弁との整合性を取るために書き換えを行ったとみられると説明。書き換えは理財局の判断で、政治家の影響は確認されていないとも主張している。ただ、書き換えで消されていた部分には、森友学園が開校を目指していた小学校で名誉校長を務めていた安倍昭恵夫人の名前が複数あった。安倍晋三首相の名前も、日本会議関係者として記載されていた。野党は、今回の事件が「アッキード事件」だとして、昭恵氏らの名前が消された経緯について、「忖度」問題などとの関連を含め追及を強める。
「森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示」
財務省はこの日、書き換え前と書き換え後を並べた新旧対照表を公開。14の文書のうち、書き換えがあった部分を中心にまとめたもので、その分量はA4サイズで78ページに及ぶ。
昭恵氏らの名前が消されていたのは、「普通財産の貸付けに係る承認申請について」と題した特例承認の決裁文書。15年2月4日版と同4月30日版がある。
2月4日版では、「これまでの経緯」の項目で、14年4月28日に
「なお、打合せの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは「いい土地ですから、前に進めてください。」とのお言葉をいただいた。』との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。」
という説明がある。森友学園側が昭恵氏の名前を利用しようとしていたことがうかがえる内容だ。
15年1月8日の記述では、産経新聞のウェブサイトで、森友学園が小学校経営に乗り出している旨が報じられたとして、
「記事の中で、阿部(原文ママ)首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。」
とある。