麻生太郎財務相は2018年3月12日の会見で、学校法人「森友学園」に関する財務省決裁文書の書き換えを認め、「最終責任者」として当時理財局長だった佐川宣寿氏の名前をあげた。
同日の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)では、麻生氏による佐川氏らへの「責任の押しつけ」を感じた出演者が多く、「この人、悪代官」などといったコメントが相次いだ。
「私の進退は考えていない」
麻生氏は会見で、省内での調査の結果「昨年2月下旬から4月にかけて、本省理財局において森友事案に関する複数14件の決裁文書の書き換えが行われていた」と報告した。財務省は引き続き調査を進めるという。
前代未聞の公文書書き換えだが、麻生氏は「私の進退は考えていない」と断言。「一部の者によって財務省全体の信頼が失われたという形になっているのは甚だ残念。私として、財務省全体の組織が(問題)とは考えていない」とも述べ、省全体としての責任を否定している。
一方で、「(書き換えられた文書は)近畿財務局のものがほとんどだが、理財局の指示で書き換えが行われたと私どもの考えで出てきている。理財局の一部職員により行われたのは事実と考えている」とし、「書き換えは理財局の職員の一部によって行われたので、最終責任者は理財局長の佐川ということになると思う」とも発言。理財局の一部職員が書き換えた旨や、責任者は当時理財局長の佐川氏である旨を何度も口にした。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「グッディ」で、麻生氏の会見を「すべて佐川さんが悪いと、理財局の一部職員がやったという発言が何度も出てきた。そこに限定してしまおうという意図が露骨に表れていた」と受け止めた。
「一部の現場に押し付けるような発言を大臣がされる」
弁護士で元財務省官僚の山口真由氏も番組で、「理財局の誰かが(決裁文書を)直したとして、勝手にやったというより(理財)局長が相当無理をして答弁をしたのが背景にあるはず。それを一部の現場に押し付けるような発言を大臣がされるのは相当ショッキングだと思う」と見解を述べた。
さらにメディアプロデューサーの長谷川聖子氏は、「今回第一報を聞いた時に『改竄』でびっくりして」「今日の麻生さんの会見を聞いて、本当にこの人すごいというか...悪代官、すごいなと思って、ショッキングでした」と驚きを隠さなかった。
放送を受けてインターネット掲示板では、「まあ悪代官だよ間違ってない」「さっきの麻生の会見には驚いた 佐川が佐川が佐川が」「悪代官の身代わりにされる佐川さん」といった書き込みが相次いでいた。