麻生氏「やめない」とする田崎氏、「やめる」と見たのは
今後は、真相の解明とともに財務省、そして政府への責任追及が課題となる。特に、当事者である財務省はもはやまな板の上の鯉だ。実業家の夏野剛氏は、
「財務省そのものの在り方、官僚制度そのもののあり方まで疑問が投げかけられる事態になっている」
「(かつての大蔵省からの金融庁分離、財務省への改組クラスの)大きな組織改編を検討せざるを得ないような状況に追い込まれていると思うんですね」(とくダネ!、フジテレビ系)
と省「解体」クラスの出直しを提唱した。政治アナリストの伊藤惇夫氏、元宮崎県知事の東国原英夫氏も、それぞれ同様の意見を述べる。
「財務省解体みたいな、財務省というスーパー官庁そのものの信頼感が完全に揺らいでいるわけですから。これは大問題だし、将来歴史の教科書に載るかなというくらい」(ひるおび!)
「財務省は存亡の危機だと思いますね。それくらいの覚悟をもって財務省は説明しないと、納税者の納得は得られません」(バイキング、フジテレビ系)
だが、事は財務省だけでは済みそうにない。住田裕子弁護士は、単なる書き換えの罪のみならず、「偽」の資料で国会議員の質問権を妨げたことは、「偽計業務妨害罪」に当たる疑いがあるとし、
「国会議員に託した国民の民意に対しても違反する行為だということで、単なる省の問題だけではなく、国会レベルの中で起きた、憲政史上の大きな問題だろうと思いますね」(モーニングショー)
と、さらなる追及を求める。
そうなれば焦点となるのは、麻生財務相の進退である。田崎氏は、現在の国会の勢力図などからは麻生氏をやめさせることは現実的には難しいとした上で、
「麻生さんの性格からして、叩かれれば叩かれるほど、意固地になって強くなるタイプなんですよ。(中略)どうも麻生さんはそういう(弱気になってやめるような)方ではない」
と、辞任の可能性は低い、と見たのに対し、共同通信編集委員の柿崎明二氏は、直近の発言などから、麻生氏が辞任を覚悟している、と読む。
「安倍総理がどう考えているか、あるいは周りがどう考えているかは別として、(まだ)決めてませんけど、ご本人の頭の中には『辞任』というのはあるんじゃないかと思います」(とくダネ!)
そして、最後の問題は安倍晋三首相だ。お笑い芸人のカンニング竹山氏は、説明責任を果たさなければ、麻生氏辞任でも国民が納得しないのでは、とも述べる。
「ここまで出ちゃうと、国民ももう黙っていられないというか、もうちゃんと説明しないと。(佐川氏の辞任では)終わらないと思いますね。安倍さんまでちゃんと説明しないと、麻生さんがまかり間違って辞任したところで終わらないと思うんですよ」(ビビット、TBS系)