財務省、森友文書「書き換え」認める方針――2018年3月10日、各メディアが一斉にこのニュースを伝え、一連の問題は新たな局面へと入った。
翌11日付の主要各紙は、そろって1面トップでこの件を報じた。唯一の例外は、この問題を最初にスクープした朝日新聞だ。
朝日のみは「震災」が1面トップ
「森友文書書き換え認める 財務省あす調査結果」(読売)
「財務省書き換え認める 佐川氏が指示」(毎日)
「森友文書書き換え認める あす国会報告 麻生氏辞任せず」(産経)
東日本大震災から7年を迎えた3月11日、震災報道を押しのける形で、読売・毎日・産経の各紙はいずれも、書き換え問題の進展をトップに掲載した。内容は細部には違いがあるものの、いずれも財務省が「書き換え」を認め、12日に報告を行う、といったものだ。
そんな中、朝日新聞のみは、「東日本大震災7年 避難今も7万3千人」を1面トップに。問題に触れた記事でも、「財務省は12日に自民党の二階俊博幹事長ら与党幹部に職員への聞き取りを踏まえた結果を報告する見通し」とするに留まった。
大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、近畿財務局の決裁文書が書き換えられたとされるこの問題は、朝日新聞が2日付朝刊で報じたことで表面化した。8日には毎日新聞も別の文書に書き換えがあったことを報道、9日には売却に関わっていた近畿財務局の担当職員の自殺が伝えられ、また売却当時の理財局長だった佐川宣寿氏が国税庁長官を辞任するなど、問題は拡大の一途をたどっていた。
火付け役となった朝日だが、各紙横並びとなった「書き換え認める」報道からは疎外される形となった。