外国企業が中国でやらかす「間違い」 地名・地図という「レッドライン」

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中国特有の「職業的な条件反射」

   中国にいるこうした外国企業は、中国政府と民衆の「アレルギー源」をまさか知らなかったのだろうか。それは、ほとんど有り得ないことだ。上に挙げた外国企業数社は中国で30年以上、少なくとも十数年間は営業実績があり、中国の国情について無知というレベルではなかった。彼らが故意に中国政府と民衆の気分を害そうとしたのでなければ、全く理解しがたいことである。なぜ、いつもこのような間違いを犯すのだろうか?

   この問題を、ある程度のキャリアを有する中国メディアの編集者のところに持っていくと、間違いなく一笑に付されるだろう。「答えは簡単だ。外国企業には『職業的な条件反射』がないのだから」

   中国のメディアにおいて経験豊富な編集者は、若い記者の原稿の中に「中国、香港」という言葉を見かければ即座に「中国内地、香港地区」に修正し、「中国、台湾」という言葉を見かければ直ちに「中国大陸、台湾地区」に修正する。地図に至っては、西沙諸島、南沙諸島、釣魚島など、いくつかの黒い点であろうともスペースやページ数削減という理由で省略することは絶対に有り得ない。これらはみな「政治的なレッドライン」であり、ここで生じる間違いは即ち「政治的な間違い」であり、執筆記者も責任編集者も、ひいては新聞の編集長もみな厳重な処分を受けることになる。

   実際、どのような用語が「正確」で「標準的」なのか、どのような用語が「間違い」で「標準的ではない」かについては新華社が毎年目録を更新し、全国の各メディアに配布して、その通りに行うことを求める。日常業務の中で、編集者も記者も常にこの方面の専門的な訓練を受け、いつしか「職業的な条件反射」を確立するのだ。

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