財務省の森友学園をめぐる決裁文書が書き換えられたとされる問題では、財務省は2018年3月9日の説明でも実質「ゼロ回答」だった。そんな中で、売却取引に携わっていた財務省近畿財務局の男性職員が自殺したとみられることが明らかになり、野党側からは「こうやって1日1日(調査を)引き延ばすことで、こういったことが起こってはならない」などと批判が相次いだ。
この日の野党のヒアリングでも、森友学園と価格交渉はしていないと答弁し続けていた佐川宣寿・前理財局長(現・国税庁長官)の答弁が「嘘だった」という指摘が出ていた。佐川氏の国税庁長官辞任の意向が報じられたのはヒアリング直後のこと。野党議員からは「とかげのしっぽ切り」との声があがり、さらに攻勢を強める構えだ。
遺書の有無や内容には「コメント控えたい」繰り返す
この日の野党によるヒアリングで、前日からの調査の進捗を問われた財務省の富山一成(とみやま・かずなり)理財局次長は、
「何らかのご指摘のことが申し上げられればいいが、そこは調査をすると申し上げた。調査というものは途中経過で部分的に申し上げられるものではない。逆に言うと、そんなにいい加減な調査をしているわけではない」
と、引き続き事実上「ゼロ回答」。野党側からは憤りの声が相次いだ。
ヒアリングの数時間前には、財務省近畿財務局の男性職員が3月7日に神戸市内の自宅で自殺したとみられることが報じられた。このことを希望の党の柚木道義衆院議員が
「こうやって1日1日引き延ばすことで、こういったことが起こってはならないと思う。一刻の猶予を争う問題。そうでないと命まで失われてしまう。現場で、池田統括審議官の下で働かれた方でしょ?そういう方が自ら命を絶つようなことが起こっている」
などと批判。富山氏は
「今の先生のご指摘は、本当に重く受け止めさせていただく」
と応じ、自殺の事実を否定しなかった。ただ、民進党の杉尾秀哉参院議員による(1)自殺の報告を受けた時期はいつか(2)遺書に関する情報を把握しているか(3)遺書について、近畿財務局から遺族に『口外しないでほしい』と伝えたのは本当か(4)遺書に文書書き換えに触れるくだりがあるというのは本当か、といった問いには
「コメントは控えたい」
と繰り返した。