放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は2018年3月8日、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が放送した情報バラエティー番組「ニュース女子」について、人権団体「のりこえねっと」の辛淑玉共同代表に対する「名誉棄損の人権侵害が成立する」として、同局に再発防止に努めるよう勧告した。
審理の対象となったのは、沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド建設反対運動を特集した2017年1月2日・9日の放送回。番組出演者の発言やテロップ、ナレーションから辛氏を「過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動を職業的にやってきた人物でその『黒幕』」「基地反対運動の参加者に5万円の日当を出している」などと表現したが、これらの真実性は立証されていないとして名誉毀損が成立するとした。
番組は制作会社の「DHCテレビジョン」が制作。TOKYO MXはDHCから持ち込まれた内容をそのまま放送していた。TOKYO MXは制作への関与を求めたがDHCと折り合わず、TOKYO MXでは18年3月末での放送終了が決まっている。
勧告を受け、TOKYO MXは同日公式サイトに、「この勧告を真摯に受け止め、現在進めている再発防止策を着実に実行して、信頼される放送の推進に努めて参ります」とのコメント文を掲載した。