自動販売機で「運」を使ってしまう
番組では、2人の対局中の離席回数の検証結果を公表。藤井六段が10回だったのに対し、杉本七段は21回と倍以上。藤井六段が時折、相手の背後方面から盤面を見る、いわゆる「ひふみんアイ」を行うのを念頭に、「(藤井六段がひふみんアイを)やりやすいシーンを作ってみた」と明かした。「ひふみんアイ」については、マナー違反との指摘もあることから、弟子がやりやすいよう配慮を示したわけだ。藤井六段の方も、「外で顔を洗ったりお茶を汲んだり」しながら、遠慮がちに実行していたようだ。
離席中にはこんな「笑い話」も。杉本七段が自動販売機で飲み物を買った際、「当たり」が出て小銭が戻ってきた。周囲に記者もいたことから、
「こんなとこで『運』使ってもしょうがない」
と自分から口に出した。
この辺りで話はいよいよ、具体的な対局の内容に及ぶ。2局目で藤井六段が「穴熊」(盤の隅で玉を金銀などで囲う)で戦う展開については、「よんでいた」。しかし、藤井六段に優勢に進められ、8日の放送で小林九段が「決め手」と指摘していた「(藤井六段の)85手目 4五香」については、
「これは、とどめのとどめ。この10手前ぐらいで、これは参ったな」
と、75手前後でお手上げ状態だったと説明。最終的には111手で投了した。
出演時間はCMもはさんで約30分。いろいろ話して少しすっきりしたのか、杉本七段は最後は笑顔で一礼して締めくくった。弟子への愛情あふれるエピソードに、コメンテーターのタレント、三田寛子さんは「(杉本七段の)お人柄が...」と感心していた。