伊調馨「激やせ」近影、東京五輪への懸念 須藤元気「現役戻るには半年かかる」

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   日本レスリング協会の栄和人・強化本部長からパワハラを受けているとの告発状が出された伊調馨選手だが、直近のイベント登場時の体型をめぐって「やせすぎ」ではないかと心配の声があがっている。

   拓殖大学レスリング部監督の須藤元気氏は2018年3月9日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、伊調選手の筋力が落ちたことによる競技への影響を具体的に解説し、「現役に戻るには半年くらいかかります」との見立てを述べた。

  • 伊調馨選手(2015年6月撮影)
    伊調馨選手(2015年6月撮影)
  • 伊調馨選手(2015年6月撮影)

2月10日のレスリング交流会で見せた姿

   伊調選手は、宮崎県都城市とその姉妹都市のモンゴル・ウランバートル市が2月10日に南九州大学・都城キャンパスで開いたモンゴル・日本レスリング交流会で、講師として子どもたちを指導。3月1日発売の週刊文春8日号でパワハラ問題が明るみに出る直前の公での姿として、テレビでも映像がしきりに流れている。ただ、リオ五輪のころと比べて頬や腕、脚などがほっそりとした印象を受け、インターネット上では「激やせした」などの声もあがっていた。

   「モーニングショー」では、伊調選手の元トレーナー・芳原雅司氏が首回り・肩幅・腿の細さを指摘。拓殖大と学生レスリング日本代表の監督・須藤元気氏が、競技への影響を解説した。

   まず、僧帽筋(首から背中まわり)と、胸鎖乳突筋(側頭部から鎖骨のあたり)が細いとして、須藤氏は「レスリングはタックルの時、首で倒す。首の筋肉が弱いと最後に倒せない。ウェイトトレーニングではつきにくく、組手や実戦の中でつく筋肉」と指摘。腕は、上腕二頭筋や三角筋がつく肩まわりの幅が狭くなっており、「レスリングは引く力が大切で、その時使うのが上腕二頭筋や三角筋。ここが弱いと組んでも外されてしまう。逆に引き寄せられたり、かち上げられたりしてしまう」と説明した。

   太ももの細さについては、腸腰筋(下腹部から骨盤をつなぐインナーマッスル)とハムストリング(もも裏の筋肉)の部位であることから、「タックルされた時、腸腰筋とハムストリングを伸ばして(相手の組手を)切り、バックに回ったり攻撃に転じたりする。(筋力が)弱いと引き寄せられて倒される」とディフェンスの影響を述べている。

「国内で年末に大会があり、選考会がスタートする」

   こうした様子の伊調選手について、須藤氏は「現役に戻るには半年くらいかかりますよね」と見立てを示している。

   伊調選手は、2月9日付の「webスポルティーバ」によれば1年以上試合から遠ざかっている。指導者の道に大きな関心をもっており、「今はまだ選手としてやっていくこと、(編注:東京五輪での)オリンピック5連覇ということに意味・価値を見いだせていないので、漠然と『選手に戻る』ということはありません。戻るとしたら100パーセント、腹をくくったとき」と語っている。もし選手としての体を戻すとなると「最低3ヵ月は必要」という。

   内閣府に提出された告発状では、伊調選手の練習場所が定まっていないとの記述もある。18年12月には全日本選手権があるが、上記番組で須藤氏は「国内で年末に大会があり、そこから(五輪の)選考会がスタートする。勝たないと次に行けない」と、東京五輪へのリミットが迫っていることを指摘していた。

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