至学館大学(愛知県大府市)が2018年3月7日、レスリング部監督をつとめる栄和人氏について「心身が衰弱し、日常生活を送ることも困難になっている」とする文書を谷岡郁子学長の名義で発表した。
栄氏が伊調馨選手にパワハラをしていたという告発状の存在が発覚した1日以降、至学館大には連日マスコミが押しかけている。
「学生たちが不安を感じ、試合を控えた選手たちも辛い思い」
報道機関にあてて至学館大が発表した文書では、1日発売の週刊文春(8日号)を発端に、「身に覚えの無い報道に加え、周囲に多大な迷惑がかかっていることから監督は衝撃を受け心身が衰弱し、日常生活を送ることも困難になっています。そのため、今は安静療養が必要です」と栄氏の現状を説明した。
また、連日の報道により「高校生を含むレスリング選手たちはもとより、無関係の学生たちまでSNS等を通じて批判、侮辱されるような事態になっております」と説明したほか、「レスリング部道場や寮をはじめ、関係各所における張り込み等の結果、学生たちが不安を感じ、試合を控えた選手たちも辛い思いをしております。さらに、近隣住民の皆様にも多大なご迷惑をおかけしています」と学生への影響にも触れている。その上で「何とぞご理解のうえ、マスコミ各位におかれましては、節度ある活動をお願い申し上げます」と訴えた。
問題が明るみに出て以降、ツイッターなどでは栄氏だけでなく大学にもバッシングが拡大。「至学館がクソなんだろうな」「至学館含め女子レスリング体制が問われるべき」「至学館の人達の団結感は周りの人に疎外感を与えかねないとは思う」などという声が出ていた。
「カメラやマイクをもって、練習場の周囲を...」
栄氏は、問題発覚直後には報道陣に対応していた。J-CASTニュースが7日、至学館大学の秘書広報室に「現在、栄氏は大学の練習に出ていないのか」と聞いたところ、「そうですね」。また「その面はコーチもおり、元々選手主体で練習しているので、監督不在でも支障はありません」と話した。
監督を待ち構える報道陣には、学生から怯えるような声があがっているほか、近隣住民からも「何とかならないか」と苦情も受けているという。具体的には「カメラやマイクをもって、練習場の周囲をウロウロされており、タクシーの中で張り込んでいる」といった具合だという。