名作とされる架空戦記の漫画「皇国の守護者」が絶版になりそうだと、漫画作画者の伊藤悠さんがツイッター上で報告し、ファンから嘆く声が上がっている。
「皇国の守護者」は、主人公の新城直衛が帝国の侵略から皇国を守るために戦うが、やがて皇国内の闘争にも巻き込まれ......といったストーリーだ。
漫画サイトに一時アップされ、騒ぎになったことも
「レッドサンブラッククロス」などの作品で知られる故・佐藤大輔さんの小説が漫画化され、2004~07年に漫画雑誌「ウルトラジャンプ」(集英社)で連載された。小説は9巻が発行されているが、漫画は、諸事情からとして5巻で連載が終了している。佐藤さんは17年3月に52歳の若さで亡くなっており、小説も未完の状態になっている。
伊藤悠さんは、18年3月6日に自らのツイッター上で、「皇国の守護者」が絶版決定しそうだとし、電子書籍にならないことも決定したらしいと打ち明けた。そのうえで、漫画について「お手元にある方は良かったら大事にしてね」と呼びかけている。
この件については、伊藤さん自身もよく分からないとして、質問されても答えられないと説明している。
「皇国の守護者」については、絶版になった漫画などを無料で配信する「マンガ図書館Z」のサイト上で16年1月に一時アップされ、ついに絶版になったのかとファンの間で波紋を呼んだことがある。
「著作権承継者のご意志により、出版を継続しないことに」
伊藤悠さんのツイートを受けて、ファンらから「ほんとうに名作なのに」「悲しすぎる...」「手元の本、大事にしますね」などと嘆く声が次々に寄せられている。
マンガ図書館Zを運営する漫画家の赤松健さんは、「速やかな電子化を望んでいた作画家の先生が可哀相すぎる。これで件の作品は、著作権の切れる50年後(※EPAにより70年後)まで『海賊版で読み継がれる作品』となるだろう」とツイッター上で指摘した。
集英社の広報部は3月6日、J-CASTニュースの取材に対し、次のようにコメントした。
「『皇国の守護者』については、著作権承継者のご意志により、出版を継続しないこととなりました。電子書籍化の予定もございません」