台湾漁船が日本の水産庁の取締船から追跡されたり放水を受けたりしたとして、台湾当局が日本側に抗議していたことが明らかになった。
台湾側は、放水があった海域は台湾漁船も操業可能な海域だと主張しているが、日本側は日本の排他的経済水域(EEZ)内の違法操業だと主張。言い分は食い違っており、抗議は受け入れない方針だ。
台湾側「外交ルートを通じて抗議する」
水産庁・沖縄総合事務局外国漁船合同対策本部によると、2018年3月3日午前、水産庁の行業取締船が、沖縄県・与那国島北西沖のEEZ内で台湾漁船が無許可で操業していたのを確認。停船を命じたが従わず、そのまま台湾の領海に逃走した。
4日午前には、同じ台湾漁船が与那国島西側のEEZを航行しているのを発見。前日に逃走した経緯もあるため、立ち入り検査をしようと放水しながら停船を命じたが、やはり逃走した。
台湾側は違う言い分だ。台湾の水産庁にあたる漁業署の3月5日の発表によると、3日には漁船が日台漁業協定の適用水域外で水産庁の船に追跡されたとして、
「操業中だったかについては調査中で、日本側にも具体的な証拠の提示を要請。仮に違法操業があれば厳しく罰する」
と説明。4日に航行していた海域については
「日台双方がEEZを主張している与那国島西方の海域で、日本の領海に侵入しておらず、日台漁業協定の範囲外で、台湾側は操業可能」
だと主張。日本側の放水について
「外交ルートを通じて抗議する」
とした。