中国出生数が「雪崩」的減少 「一人っ子」政策撤廃でも増えないワケ

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子育てにかかる巨額のお金

   出生数の減少が続けば、一連の経済的・社会的危機につながる。現在の状況から見ると、産児制限の撤廃だけでは、もはや中国の人口の危機を解消するには全く足りず、このため、多くの学者ができるだけ早く出産奨励政策を実施するよう呼び掛けている。

   梁建章氏によれば、出生数が予測より大幅に低かった背後には子育て意欲の低迷がある。子育て意欲が低迷する一つの重要な理由は、子育てにあまりにお金がかかることにある。現在の中国の大都市では、子どもが一人生まれてから大学に入るまで、平均で一人当たり毎年約2万~3万元もの費用がかかる。これには両親の逸失利益や時間と精力の投入というコストは含まれておらず、大卒初任給が5000元ほどの中国では大きな負担となっている。

   子育て世代の子育て負担を減らすためには、政府は子育て中の家庭に対して財政的に支援する必要があり、子どもの数に応じて税金を下げる、直接的に手当てを支給するなどが考えられる。

   梁建章氏は、日本に学ぼうと主張している。

「長期的に低い出生率の影響を受け、日本経済はずっと振るわない。いかにして出生数を上げるかということが、日本社会の難題になっている。今年1月9日の英国『エコノミスト』誌は、奈良県の奈義町で補助金などの子育て支援政策を実施したのち、合計特殊出生率が1.4から2.8に上昇した。この朗報に、出生率の低迷に苦しむ日本社会は光明を見出すことができると報じている」

   しかし、梁建章氏の意見に賛同する政府の関連機構は、いまだにほとんど見ない。「雪崩」のような出生率の下降は、中国ではしばらく止められないだろう。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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