「構造的な問題」解決する必要が...
しかし、国会でこの問題を追求した上述の丸山穂高氏は、J-CASTニュースの取材に対し、事はそう単純ではないと指摘する。
「なぜ質問通告が遅くなるのか。そこには、根本的な問題があります。そもそも『委員会が開くかどうか、決まるのが遅い』ということです。地方議会なら何日も前から誰が質問に立つか決まっている。それなら質問をする方も前から準備できるし、通告だって早くできるわけですが......」
記者が話を聞いた23日にも、朝から予算委で質問に立った丸山氏だが、それが確定したのは前日22日、時間が決まったのはその夜だったという。これでは、いくら「早く質問を出せ」と言われても限界がある。
丸山氏は、現在の国会が「非効率な日程闘争」となっていることが、問題の根幹だと分析する。与党は会期中に少しでも法案を多く通すために審議を詰め込み、野党は「時間切れ」に追い込むことを狙う。審議の日程そのものが政争の具となり、結果的に通告は遅れ、官僚たちは質問のための質問に答えるため、無為な残業を強いられる――。「ツケ」は、現場へ現場へと回っていくわけである。
丸山氏自身、かつて経産省で働いた霞が関OBだ。当時は、やはり日付が超えるまで質問通告を待たされ、時には職場に泊まる日もあった。
「非常に苦しい状況でしたし、今も変わっていない。役所ももっと効率化が必要だが、国会自体を変えないと」
この状況を脱するには、通年制の採用も含め、審議日程をあらかじめきっちり決めてしまう、委員会の間に中日を設けるなど、国会そのものの抜本的改革が必要になるというのが丸山氏の意見だ。とはいえそれには与党、野党、また霞が関の「三すくみ」を突破せねばならず、議論は進んでいるとは言い難い。
「構造的な問題なので、三者が『やろう』とならないと変えられない。総理は『国会のことは国会で......』というが、事は『働き方改革』なんだし、憲法であれだけリーダーシップを取られているのだから。カギは野党だが、岡田克也さん(現・無所属の会)も民主政権時代から国会改革を唱えてきたわけで、今がチャンスだと思う」