霞ヶ関「過労死級」残業が減らぬ理由 悪いのは「質問通告の遅れ」だけなのか

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

質問通告そろったのは「0時」、そこから...

   いったい、何が霞ヶ関をここまで追い詰めているのだろうか。上述の霞国公の調査で、残業の主な要因として「業務量が多いため」に次いで多かった回答は「国会対応のため」(30.3%)だった。

   日本の国会では、議員の質問に対する閣僚らの答弁原稿を執筆しているのは、官僚たちだ。その準備のため、前日までに質問の内容を「通告」することとなっている。

   ところが、その通告はしばしば遅くなる。多くの省庁では通告が出そろうまで、すべての局を「待機」させているが、内閣人事局が2016年6月発表した調査結果によれば、この年4~5月の通常国会の会期中、すべての質問通告が出そろった時間は、早くて17時50分、平均で20時41分、最も遅い日は翌0時30分だった。自分のところに来るかどうかわからない質問のために、下手をすれば日が変わるまで「待機」しているわけだ。もちろん、自分の部署が関係する質問となれば、そこから大急ぎで答弁原稿を作らなくてはいけない。

   通告が遅れがちな野党議員は、たびたび批判の的になる。2017年11月には、小泉進次郎・衆院議員(自民)が、希望の党議員の通告が遅かったことを、

「各役所は拘束されることも含めて、電車もなくて家に帰れない。(中略)働き方改革を進めている中で、考えるべきことがあるんじゃないか」

と厳しく批判して、話題を呼んだ。ネット上でも、こうした野党議員の質問の遅さが「問題の元凶」であるとして、しばしば激しいバッシングが巻き起こる。

姉妹サイト