「実績をみながらCEOの権限も委譲」
「回るもの、動くもの」に特化してM&Aを実行し、成長を加速させた。通常、M&Aは証券会社や銀行から提案されるケースが多いが、日本電産は自ら必要な企業を探し出して交渉する自前主義。買収案件は優に50件を超える。グループ会社は世界43か国で300社を超え、従業員は11万人に上る。
グローバルな巨大企業となっただけに、一度に全部を引き継げない。永守氏は最高経営責任者(CEO)のまま、代表権のある会長に就く。吉本氏は最高執行責任者(COO)という立場だ。永守氏は役割分担について「最初は(仕事の)3割を渡す。それから6割、5割と逆転させ、実績をみながらCEOの権限も委譲する」と説明した。
今後の電気自動車、ロボット、省エネ家電、ドローンなどの普及が予想され、モーターの需要もますます強まりそう。うまく追い風に乗って目標を達成できるか、注目だ。