「若い教師にやる気を起こさせるには、どうすればいいのでしょうか」―――2018年2月28日付の読売新聞朝刊(東京最終版など)の読者投稿欄に掲載された投書が、ネットで議論を起こしている。
小学校の副校長という人物から寄せられたこの投書は、「居残って子どものノートにコメントを書く若手がいる一方、先輩が仕事をしているのに午後5時には帰宅し、家でも教材研究をしない」若い教師がいるが、働き方改革が呼びかけられている中で残業を求めるのは難しいという内容で、ネットではこの投書への「ためらわずに指導して」との回答も含めて、批判の声が上がっている。
残業しないのはやる気が無いから?
問題の投書が掲載されたのは、教師からの悩み相談に応える「先生の相談室」のコーナー。投稿者の副校長は、5時になると帰宅する若い教師に「やる気を起こさせる」方法を相談している。
それに対し、都立高校で校長を務めていた回答者の鈴木高弘さんは紙面上で、
「勤務先の若い教師たちが本業以外の仕事をしていたのです」
と、教頭時代の「苦い経験」だというエピソードを披露。自身の業務に集中するあまり見過ごしてしまい、その結果として、自身も含めて厳しい処分を受けたという。
その経験から
「若い教師の行動に違和感を持ちながら、まるで腫れ物に触るように接している管理職の姿を、多くの先生方はどう見ているのでしょうか」
と切り出すと、学校は「保護者や子どもの尊敬や信頼の上」に成り立つとし、
「日々、子どもたちに接している教師の責任は重いのです。たとえブラックと言われようが、手抜きは許されません。若い先生には、1日でも早く、『教師が自分の天職だ』という意識をもって、子どもと向かい合ってほしいのです」
と、仕事論をつづった。
最後には、「他の要件で話すとき、ついでを装って肝心の点をしっかり指導」するなど、角を立てない指導のアドバイスが添えられ、
「若手の仕事の喜びを感じさせるためには、色々な経験をさせ、成功体験を積み重ねてもらうことです。それを褒め続けることで職場の雰囲気も高まっていくでしょう」
と締められている。