「リングに上がったら条件は一緒」――。総合格闘家の青木真也(34)が、体重オーバーで批判に晒されているボクシングのルイス・ネリ(23)を擁護するツイートを連投している。
ネリは2018年3月1日、WBC世界バンタム級王座決定戦で山中慎介(35)に2回TKO勝ち。だが、ネリは前日計量に失格し、体重的に有利な状態で試合に臨んでいた。ネット上などでは、元王者のこうした姿勢を問題視する声が相次ぐ騒ぎとなっている。
山中は現役引退を表明
試合は終始ネリのペースで進んだ。山中が1回に1度、2回に3度ダウンし、2回1分3秒でTKO負け。試合後、山中は現役引退を表明した。
こうした一方的な展開を生んだ可能性の1つだとして、ボクシングファンの間で物議を醸しているのが2人の「体重差」だ。
バンタム級は53.5キロが上限。山中は前日計量を53.3キロで一発クリアしたが、ネリは55.8キロと大幅にオーバー。同日の2回目も54.8キロでパスできず、この時点で王座は剥奪に。しかし、1日のタイトルマッチは王者空位のまま決行された。
試合当日の計量をネリは57.5キロでパス(上限は58.0キロ)したものの、体重でみれば3階級上のスーパーフェザー級。体重的には、圧倒的に有利なコンディションで山中との試合に臨んでいた。
こうした体重差の中での試合には各所で不満が続出。世界3階級制覇の実績を誇る元ボクサーの長谷川穂積氏(37)は、2日のデイリースポーツ(ウェブ版)に寄稿したコラムで、
「体重超過の影響があったのは明白だ。ネリ選手は明らかに前回より力強さがあり、減量苦がなかったと感じた。ウエートをつくらないネリ選手の行為は、ボクシングという競技に対する冒とくだと思っている」
とネリを痛烈に非難した。
そのほか、2日放送の「スッキリ!」(日テレ系)では、MCの加藤浩次(48)も「ネリ選手は自分の連勝記録を守りたかっただけ」とバッサリ。今回のようなことが続くと、「(ファンが)見るモチベーションもなくなる」と漏らしていた。
「リングの上では勝敗が全て」
このように、ネリが体重オーバーで試合に臨んだことへの非難が高まる中、一貫してネリを擁護しているのが、総合格闘家の青木真也だ。1日深夜に更新したツイッターで、
「外人ボクサーが叩かれてるけど勝ったヤツが正しい」
と一言。「認めてリングに上がったら条件は一緒。嫌ならば戦わなければいい」とも書いている。
その上で、試合に「勝ったやつを腐す必要はない」とも投稿。「逆にアウェーで体重オーバーしても勝つのは凄みを感じた」とネリを称えつつ、
「(ネリに対して)怒るのはいいのよ。ただ認めてやるべきだし、強かったでしょ。それをくさすのは違うだろって話」
と訴えていた。
こうしたツイートには、多くのユーザーから反論のリプライ(返信)が寄せられた。だが、体重オーバーで試合に勝ったことがプロとして正しいのか、という指摘に対して青木は、
「計量に関してはオーバーしたことはダメでしょう。それはちゃんと言ってますよ。しかしそれを納得して試合を受けた時点で体重は理由になりませんよ」
と説明。また、「公平や公正ってどこまでいうんだろうね。チャンピオンがわざわざ敵地で試合するのは公平なのかな?リングの上では勝敗が全てって話かな」との疑問も呟いていた。
なお青木は、上述したような一連の持論を展開したうえで、
「次が誰がネリを倒すかのドラマでいいじゃんね。また呼んでやればいいと思うのよ。いいヒールができたじゃん。違うの?」
ともツイートしている。