今の形の辛子明太子を開発、発売したことで知られる「ふくや」(福岡市博多区)の創業をモチーフにしたドラマ「めんたいぴりり」が映画化されることになり、主演の博多華丸さん(47)らが2018年2月28日、都内で会見した。華丸さんの映画主演は初めて。
華丸さんは、博多大吉さん(46)とコンビでNHKの朝の情報番組「あさイチ」司会への起用が決まったばかりだ。華丸さんは役作りのために丸刈りにしたばかりで、撮影は3月いっぱい続く。番組出演を意気込む一方で、初回放送は丸刈り姿のままになってしまうため「謝罪会見みたいになるんじゃないか」と心配していた。
明太子は「どちらかと言えば『あさイチ』に食べるもんですので」
作品は、ふくや創業者の川原俊夫(1913~80)がモデルの、華丸さん演じる海野俊之が主人公。博多祇園山笠に情熱を燃やしながら、富田靖子さん(49)演じる妻の千代子とともに小さな食料品店「ふくのや」で明太子ができあがるまでを「笑い」「涙」「人情」を交えながら描く。13年、15年の2回にわたって福岡のテレビ西日本(TNC、フジテレビ系)がドラマを制作し、15年には舞台も上演された。
映画は18年3月にクランクインし、同月中に撮影を終える。華丸さんは
「逆に変に悩む余裕がないくらいスケジュールも非常にタイトなので、そういう意味では映画に集中できるのではないか。(「あさイチ」は)それが終わってからだと思う」
と意気込んだ。この日の会見はTNC制作の映画に関するものだったため、記者も登壇者もNHKの番組である「あさイチ」の固有名詞を口にすることはなかった。そんな中でも華丸さんは
「幸い本当に、明太子は福岡の人だったら分かると思いますけど、どちらかと言えば『あさイチ』に食べるもんですので、そういった意味で、いいようにつながっていけば」
と、番組名を紛れ込ませてサービス。初回放送についても
「唯一心配なのが、番組の一発目が坊主で出るということ。謝罪会見みたいになるんじゃないか、それだけが不安」
などと話して記者会見場を笑わせていた。
「『また福岡の人が福岡の話始めたよ』ってならないですか?大丈夫ですか?」
記者会見では「福岡率」の高さが際立った。登壇した華丸さん、富田さん、監督の江口カンさん(50)は福岡出身。質疑応答でも、最初に西日本新聞(福岡市)の記者が
「劇場版では、福岡県民にとっては懐かしい平和台(編注:福岡ドーム完成までダイエーホークスが本拠地として利用。1997年閉鎖)のシーンが出てくる」
などとして平和台球場や、平和台を本拠地にしていた西鉄ライオンズ(1951~72年)の思い出を質問したのに続いて、J-CASTニュースの記者が福岡市出身だと明かした上で「あさイチ」の件を質問した。さらに1人挟んで4番目に質問したフジテレビの記者も「福岡出身です」。
映画は19年1月に全国の映画館で上映予定だが、華丸さんは「福岡率」の高さに「東京の人たちに知って欲しいんですけどね」と困惑気味だった。富田さんは
「福岡ば知っとー(福岡を知っている)人から伝えたもらった方が...」
とフォローを試みたが、やはり
「『また福岡の人が福岡の話始めたよ』ってならないですか?大丈夫ですか?」
と心配は尽きない様子だった。