日本カーリング女子の底力 勝負のポイントは...

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   平昌五輪カーリング女子の日本代表・LS北見は2018年2月23日の準決勝で延長戦の末7-8で韓国に敗れ、銅メダルをかけて24日夜の3位決定戦・英国戦に回る。

   韓国戦では第1エンドに3失点してしまったことが最後まで尾を引いた。今大会の日本チームの戦いぶりを検証すると、英国戦もこうした「ビッグエンド」(3点以上のエンド)を作らせないことが1つのカギになる。

  • 平昌五輪のカーリング女子日本代表は英国との3位決定戦を行う(写真はイメージです)
    平昌五輪のカーリング女子日本代表は英国との3位決定戦を行う(写真はイメージです)
  • 平昌五輪のカーリング女子日本代表は英国との3位決定戦を行う(写真はイメージです)

「3点取られたところから、よく粘った」

   韓国の後攻で始まった第1エンド。3失点で終えると、テレビ解説した石崎琴美氏(02年ソルトレーク五輪・10年バンクーバー五輪代表)は「石をためていった段階で、少しずつの精度が韓国のほうが良かったです。韓国が100決めたとしたら、日本は75。その少しずつの差が出てしまいました」と分析。「韓国はリード(1・2投目)とセカンド(3・4投目)の組み立てが良い。最後のスキップ(7・8投目)までつながっています」と精度の高さに触れている。

   その後6-7で迎えた最終第10エンドは不利な先攻から1点をもぎ取った。7-7で延長第11エンドに持ち込んだが、1失点して7-8で敗北を喫した。

   市川美余氏(11~14年日本選手権4連覇)は試合後のNHKハイライト番組で、「3点取られたところから、よく粘ったと思います。韓国はミスがなかったので、あっぱれと言いたいです」と、やはり序盤の3失点と、ショット精度に言及している。

   ツイッター上でも「序盤の3失点が痛かったけどよく延長まで持って行ったと思う」「序盤の3失点が全て」「よく追い上げたけど、やはり悔やまれるは、第1エンドの3失点」といった声が続出していた。

   実は日本が「ビッグエンド」を作られたのはこの試合ばかりではない。予選ラウンド含めた全10戦で、3失点を5度、4失点を2度と、合計7度のビッグエンドを与えている。第5エンドまでに与えたのは4度あり、うち3度は敗れた試合のものだった。

   一方、決勝ラウンドに進んだチームで韓国とスウェーデンは一度もビッグエンドを与えていない。英国は3失点が3度あったが、4失点のエンドはなかった。

「ショット成功率」は決勝ラウンド4チーム中「最下位」だったが...

   こうした結果の根本には、解説陣が指摘するように「精度」の不安があるという見方が強い。予選ラウンド全9試合でのポジション別「ショット成功率」ランキングを見ると、日本はリード・吉田夕梨花選手が78%で全10チーム中9位。セカンド・鈴木夕湖選手は74%で同最下位タイ。サード・吉田知那美選手は76%で同5位タイ。スキップ・藤沢五月選手は73%で同6位。日本チーム全体では75%で同9位だった。

   リードやセカンドがミスショットすると、その後は難度の高いショットが要求されるケースが多くなるため、この数字だけで一概に言えない部分もある。ただ日本は全ポジションとチーム全体で、決勝ラウンドの他3か国を下回っている。

   データ上はそのような中にあるが、英国戦に向けて韓国戦で明るい材料もあった。チームのショット成功率が81%と予選ラウンドより上昇している。

   注目すべきは、日本が1点ビハインドの土壇場で同点スチール(先攻チームが得点すること)を決めた第10エンド。上記のNHK番組で市川氏は「それまではミスが見られましたが、あのエンドはリードからスキップまでミスなくつなげられました。ああいうエンドがいつもできれば」と評価。「今日の10エンドのショット成功率を(次も)出してほしい。リードからコツコツと積み上げて最後にスキップの藤沢選手に託す。そういった試合を見たいと思います」と話していた。

   英国には予選ラウンドで6-8の敗北を喫している。その特徴について市川氏は「石をためて大量得点をアグレッシブに狙ってきます。スーパーショットを決めることもあり、1投で形勢逆転もあり得るチームです。ただ、リスクも負うのでチャンスはあります。スキップのイブ・ミュアヘッド選手と藤沢選手は世界ジュニア選手権と世界選手権で戦っていますが、どちらもミュアヘッド選手のチームが優勝しています。その苦手意識が克服されていればいいですね」と展望を語っていた。

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