「ゲームはゲームで良いじゃないか」――。プロによるゲーム対戦を「e-Sports」(eスポーツ)と呼ぶことへの違和感をつづった漫画家のブログが、インターネット上で議論を呼んでいる。
話題のブログは、ゲームを「スポーツ競技」として捉えようとする動き自体が、逆説的にゲームの地位の低さや「スポーツ」への憧れを表しているのではないか、などと訴えた内容だ。
「ゲームがスポーツの下にあると...」
ここ最近、国際的な地位を急激に高めているeスポーツ。すでに2022年のアジア競技大会の正式種目入りが決まり、24年のパリ五輪での採用も検討中だ。世界トップクラスの大会では、賞金の総額が数億円単位になることも珍しくない。
日本での普及は遅れているともいわれるが、18年2月1日には統一団体「日本eスポーツ連合」が設立された。そんなeスポーツの盛り上がりに違和感を示したのが、「無邪気の楽園」などの作品で知られる漫画家の雨蘭(うらん)さんだ。
雨蘭さんは18年2月8日のブログで、「『eスポーツ』という言葉になんだか青い頑張りを感じてしまう」とし、「私はゲームはゲームで良いじゃないかと思う」との持論をつづった。
ブログでは続けて、「『eスポーツ』を『スポーツ』として普及させたい人によると、対戦ゲームは肉体的、精神的に鍛錬を積んでいるからスポーツのカテゴリーに入るに相応しいとのこと」という意見を紹介し、
「物事を極めるには何んだってそれに見合った技術と肉体と知識と精神が必要になる」(原文ママ)
と反論。こうした主張であれば、将棋や囲碁、音楽や大喜利なども「スポーツに入ってしまう」と訴えた。
その上で、雨蘭さんは「では音楽がスポーツを主張しないのはなぜか。音楽がスポーツの上でも下でもなく存在しているとプレイヤーが思っているからだろう」として、
「裏を返せば、ゲームがスポーツの下にあると自覚していることになる」
との持論をつづった。