キヤノンの「強さと弱さ」が交錯 新・成長4事業の行方

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いかにスピード感を持って効率化していけるか

   期待の新規4事業では、メディカルは利益率が2017年度の5.2%から5.7%に高まるが、将来的に10%を目標にしており、いかにスピード感を持って効率化していけるか。キヤノンの生産技術を生かすことを含め、大きなポイントになる。

   産業機器などは売り上げの伸び率を一番高く見込んでいる期待の分野だ。有機ELパネルの製造装置の受注増などを見込むが、有機ELといえば米アップル社のiPhoneへの採用が製造装置の需要のベースにあり、iPhoneの動向次第という面がある。

   オフィス事業に含まれる商業印刷はチラシなど多品種少量の印刷に強いデジタル機の拡販をめざし、同分野で強いオランダのオセ社を7年前に1000億円で買収した。しかし、2017年度にオセを含め商業印刷の「のれん」の減損339億円を処理した。この分野は競合各他社も力を入れているだけに、期待通りの収益を上げていけるか、予断を許さない。

   キヤノンは2016年度に大幅な減収減益に陥り、17年度にリカバリーした。18年度は新規4事業でどこまで攻められるか。その行方が、次のステップの成否を左右することになる。

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