キヤノンの「強さと弱さ」が交錯 新・成長4事業の行方

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   キヤノンの決算が良い。2018年1月30日発表の17年12月期(17年度)連結決算(米国会計基準)は、純利益が前の期比61%増の2419億円となり、18年12月期(18年度)も2期連続の増収増益を見込む。だが、分野別にみると、キヤノンの強さと弱さが交錯し、先行き安泰とまでは言えないようだ。

   2017年度の売上高は前年度比19.9%増の4兆800億円、営業利益が44.8%増の3315億円、純利益が60.6%増の2419億円だった。最終増益は3期ぶりだ。

  • インスタ映えブームが追い風(画像はイメージ)
    インスタ映えブームが追い風(画像はイメージ)
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「インスタ映え」ブームを追い風に

   2018年度も、売上高が過去2番目の水準となる5.4%増の4兆3000億円、営業利益は26.7%増の4200億円、純利益は15.7%増の2800億円と予想している。

   1月30日の記者会見で田中稔三副社長は、2018年度の増収増益の前提について「現行事業を充実させ、新規事業を拡大する方針の土台が17年度にできた。それを確固たるものにするのが今年の課題だ」と述べた。

   田中副社長が語る「土台」の中身を細かく見ると、2017年度の業績を引っ張ったのは、なんといっても不振を脱した複合機などの「オフィス事業」と、デジタルカメラなどの「イメージングシステム事業」だ。かつて売上高に占める割合が合計9割に達した両事業は、17年度でもなお75%を占め、営業利益も8割を稼ぎだしている。17年度のオフィス事業は売上高が前年度比3.2%増の1兆8659億円、営業利益が6.6%増の1806億円、イメージング事業は売上高が3.7%増の1兆1362億円、営業利は21.8%増の1759億円とそろって好調。

   複合機はカラープリンターのラインアップ拡充などが奏功し、販売台数を伸ばした。デジカメは、「インスタ映え」ブームを追い風に2017年の市場全体が5年ぶりに前年比プラスに転換する中、同社もミラーレスの販売好調などが効いた。

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