平昌五輪フィギュアスケート女子はアリーナ・ザギトワが金メダル、エフゲニア・メドベージェワが銀メダルとなったが、2人はフリースケーティングの得点が同じだった。ショートプログラムの得点差がそのままメダルの色を分けた。
メドベージェワは、ジャンプの基礎点が1.1倍になる後半に予定していた連続ジャンプを、本番では前半に持ってきた。先に演技したザギトワを見た後、急きょ入れ替えたと見られる。
直前に採った「安全策」、しかし...
女子フリーは2018年2月23日に行われた。最終グループ4番滑走のザギトワは、全7ジャンプを基礎点が1.1倍になる後半に配置する構成で挑んだ。ほとんどミスをしないザギトワだが、事前に公表されていた予定のプログラムにあった3回転ルッツ+3回転ループ(連続ジャンプ)でファーストジャンプの着氷が乱れ、単独ジャンプになった。その後、予定では3回転ルッツ(単独)だったジャンプを、3回転ルッツ+3回転ループ(連続)に切り替えた。
ザギトワの後に演技したメドベージェワは、前半最初のジャンプを、予定していた3回転フリップ(単独)から、3回転フリップ+3回転トウループ(連続)に切り替えた。この連続ジャンプは基礎点1.1倍の後半に跳ぶ予定だった。ザギトワにわずかではあるが着氷の乱れがあったのを見て急きょ、ハイリスクの連続ジャンプを前半に持ってくる「安全策」に変更した可能性がある。
2人のフリーは、ザギトワが技術点81.62+演技構成点75.03点。メドベージェワは技術点79.18+演技構成点77.47。合計すると同じ156.65点だった。ショートでついた1.31点差がそのまま2人の合計点差になり、ザギトワに勝利の女神がほほ笑んだ。