「五輪なのに確認しきってなかった点に落ち度がある」
22日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)によると、会見に同席した韓国代表のペク・チョルギ監督は「隊列の真ん中で滑るより、スピードを維持させて後ろからついていかせる方が良い記録が出ると、ソンヨンが私に直接言ってきた」と発言。だが、ソンヨンは「私は後ろから行くと言っていない。前日まで私は真ん中に入ることになっていた。チームの雰囲気は良くなかった。競技について会話もなかった」と反論したという。
こうしたムードの中で冒頭の7・8位決定戦を迎えたわけだが、亀裂はもっと以前、17年10月からの代表選考過程の中で生じていたようだ。
20日付の朝鮮日報(日本語版)は「チームワークの崩壊は予想されたことだった」と報道。ソンヨンの「代表チームで一度も一緒に練習していない」という言葉を伝えた。元々パシュート代表のみに選ばれていたソンヨンだったが、パシュートの五輪出場には個人種目の出場資格も必要であるという規定を、韓国スケート連盟が認識していなかった。連盟の「手違い」で五輪代表から外れたソンヨンは、その後インターネット上で「連盟は選手を道具として考えている」などと非難した。
ところが、ロシアの1500メートル代表選手がドーピング違反で五輪出場権を剥奪され、繰り上がりでソンヨンが同種目代表入り。パシュートのチームにも復帰できたが、非難していた連盟とは深い溝ができていた――。こんな経緯で平昌五輪に臨んでいたというのだ。
長野五輪金メダリストの清水宏保氏は上記「モーニングショー」で、「連盟に育ててもらっているというのは実際あります。非難してしまったことでの確執は生まれます」としたが、一方で「パシュートのルールに関しては、2006年から五輪の正式種目になったこともあり、常に変わっています。韓国の連盟は五輪なのに確認しきってなかった点に落ち度があるのかなと思います」と指摘。その上で
「僕は現役時代にソンヨン選手と戦ったことがあるんですが、非常におとなしいイメージがありました。自分から発信していくイメージはなかったんです。ルールが変わっていく中でお互いに認識し合えていない部分はあったと思います」
とソンヨンの印象を述べている。