「コーヒーがない!」と暴れ出した女性が居たため、通勤ラッシュ時のJR中央線に遅れが生じた――。こんな情報がツイッターで拡散され、ネット上に「意味がわからない」といった困惑の声が相次ぐ騒ぎがあった。
はたして、「コーヒー」をめぐる乗客トラブルの現場とは一体どんな状況だったのか。J-CASTニュースが、トラブル発生時に同じ車両にいた乗客に話を聞いた。
JR「警察に乗客の対応を依頼したことは事実」
2018年2月22日朝8時40分頃、JR西荻窪駅で起きた車内トラブルの影響で、中央線快速列車(上り)に遅延が生じた。遅れは約15分と短かったが、通勤・通学時間帯と重なっていたこともあり、ネット上には影響を受けた乗客からの不満が相次いだ。
今回の遅延について、ツイッターには「車内で暴れている乗客の確保のため、現在警察官の到着を待っています」という趣旨の車内アナウンスが流れた、との報告が複数の乗客からあった。
また、首都圏の鉄道情報などを毎日のように発信している人気ツイッターアカウント「とれいんふぉ」も同日9時頃、
「女性専用車トラブルおよび女性が『コーヒーがない』と暴れていたとの2件の情報があります」
との報告ツイートを投稿していた。
車内トラブルの様子を説明した一連の報告はネット上で大きな注目を集め、ツイッターなどには、「意味がわかりません...中央線こわい」「今朝の遅延はこんな訳のわからんのが原因だったのか」などといった戸惑いの声が続出している。
今回の遅延について、JR東日本東京支社の広報担当者は22日昼、J-CASTニュースの取材に対し、
「西荻窪駅で車内トラブルがあり、警察に乗客の対応を依頼したことは事実です。現場の対応などは警察側に任せています」
と説明。その上で、「これ以上の詳細については、こちら(編注・JR東日本東京支社)まで報告は来ていません」とも話していた。
「コーヒーが飲みたかった」と叫び出した
現場の詳細な状況について、今回のトラブルが発生した車両に乗っていたという30代の女性会社員がJ-CASTニュースの取材に応じた。彼女によれば、ネット上で拡散している「『コーヒーがない』として暴れた」という情報は事実だという。
現場を目撃したこの女性によれば、西荻窪駅に到着する直前の8時30分頃、女性専用車両の1号車の2ドア付近で電話をしていたマスク姿の女性が、
「コーヒーが飲みたかった」
「コーヒー飲むの知ってるのに何でないんだ」
「抹茶なんて飲みたくないんだ」
などと、いきなり大声で叫び出したのだという。
マスク姿の女性は、電車が西荻窪駅に到着した後も大声で叫び続けていたため、異変に気付いた運転手が発車を停止。問題の車両には駅員が駆けつけ、叫び声を上げた女性に一度電車から降りるように求めたが、当人は「うるせー、さわるな」などと拒否し続けたという。
その後、警察官が現場に到着しても、マスク姿の女性は降車を拒み続けた。警察官が静かにするように注意すると、女性は周囲を見渡し「誰か席を譲れ、譲ったら静かにする」などと訴えたという。
しかし、周囲の乗客は一切反応せず。現場を目撃した女性は、「(マスク姿の女性に対し)周りもどう接していいのか、また接すると攻撃されるのではないかと警戒していて、誰もその方と関わってませんでした」と振り返っていた。
結局、マスク姿の女性が落ち着きを取り戻したため、列車は運転を再開。その後、女性は西荻窪から3駅先の高円寺で降車。目撃者の女性がその旨を運転手に伝え、車内は落ち着きを取り戻したとのことだった。