平昌冬期五輪のメダルラッシュに対する首相官邸SNSの祝福投稿が、インターネット上で賛否を呼んでいる。
スピードスケートの小平奈緒選手が2018年2月18日、女子500メートルで金メダルを獲得すると、首相官邸は同日夜、インスタとツイッター、フェイスブックにこんな祝福の言葉を投稿した。
「完璧にわかってる人がやってる...」
「小平選手、おめでとうございます!前回の悔しい思いをバネに、4年間の努力を実らせた、オリンピック記録の圧巻の滑り。王者らしい、威風堂々の金メダルでした!」
首相官邸は同時に、破顔一笑の安倍晋三首相が両手に「日の丸」の旗を持っている写真も掲載。「Congratulations!」の字幕と金メダルのスタンプが目を引く一枚だ。
首相官邸SNSのそんな「ポップ」な投稿は、以前からネットの一部で話題になっていた。平昌五輪開幕後も「いよいよオリンピック」「がんばれニッポン」「Congratulations!」との字幕や、日の丸や拍手のスタンプ......と見た目にこだわった結果、さらに注目を集めることに。インスタでは「ストーリー」機能を字幕付きで駆使しており、ツイッターでは、
「首相官邸のインスタ誰がやってるんだろう...なんかすごくよく分かってる人がやってる気がする」
「首相官邸のインスタ完璧にわかってる人がやってる...」
と驚きの声が続出した。
各国トップと比較すると...
一方では、「ポップさは首相に求めていない」「他にやるべき事あるしょ」との批判的な声もある。実際、他国の首相に目を向けると、安倍首相と明らかな違いがみられた。
カナダのトルドー首相は、スノーボード・男子スロープスタイルの銅メダリストのマーク・マクモリス選手が表彰台に立っている写真をツイッターに掲載し、
「あなたの粘り強さと勇気は私たちの多くを奮い立たせた」
と祝福。
オランダのルッテ首相も、女子スピードスケートの1000メートルで金メダルを獲得したヨリン・テルモルス選手の写真を掲載し、祝福のコメントをつづった。イギリスのメイ首相もツイッターで、同国に今大会初の金メダルをもたらしたスケルトン女子のリジー・ヤーノルド選手を「すばらしい」とたたえる。
いずれも自身の写真は載せずメダリストへの祝福に徹しており、ツイッターなどネット上では、
「オリンピックの主役が誰であるかを弁えた上で祝辞を送っている各国のリーダーと、全くわきまえていない我が国の首相の対比を御覧ください」
「主役は選手のはずじゃん...」
と批判の声が上がった。ただ、
「あくまで首相官邸の発信で安倍首相個人からの発信じゃないからそれはなにか違うような...」
「たかがSNSにここまで神経質にならなくてもいいのではないですか」
との声も寄せられている。