7、8人の警察官に取り囲まれることも
それでも、本当に緊急の用事で急いでいるなどして協力したくない場合は、
「断固として強い意志を示して拒否すべきです」
と助言する。スマートフォンで警察官との会話を録音したり、「拒否しているのに職務質問を強制することが法律上許されるのか、弁護士に確認してみる」と申し出たりすることが有効だそうだ。
しかし、こうしたやりとりの際に注意が必要なのは、押し問答になって強く抵抗した場合などに、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕される可能性があることだ。手を使って警察官に触れるなどは避けるべきで、あくまで冷静なやりとりをする必要がある。
徳永弁護士自身も、男性からの電話依頼で、職務質問を拒否して7、8人の警察官に囲まれた状態の現場に赴いたことがある。しばらく警察官らとやりとりをしたが彼らは立ち去ろうとせず、男性と移動を始めると付いてきた。最終的に男性はタクシーに乗って無事立ち去ったが、一時は一緒に乗り込もうとする警察官もおり、「なかなか大変でした」。こうした経験も踏まえ、「法律の建前を示したいといった安易な気持ちで協力を拒否するのは、かえって時間もかかるし、やめておいた方がよさそうです」とアドバイスした。