正社員弁護士「年俸330万~400万円」で募集? 話題の「餃子の王将」に真意を聞くと...

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   餃子店チェーン大手「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが、正社員として弁護士を採用する求人広告を出したとネットで話題になっている。

   ここのところ法曹人口の拡大で「弁護士余り」の状況も指摘される中、今回王将フードサービスが提示した年収は330万~400万円だった。ネット上では「330万とか高卒か?」「足元見られているのでは?」などといった感想が出ているが、J-CASTニュースはこうした提示額の「真相」を取材した。

  • 弁護士は冬の時代?(写真はイメージ)
    弁護士は冬の時代?(写真はイメージ)
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「必死に勉強して司法試験受かってこれなんか...」

   話題となっている求人広告は、日本弁護士連合会が運営するサイト「ひまわり求人求職ナビ」に掲載されており、2018年 5月 9日まで掲出予定。それによると求人対象者は「弁護士・修習生いずれでも可」。希望する弁護士経験年数は不問。募集する人数は2人ほど。総務部法務課に配属される。担当業務は「自社の係争および紛争対応」などを想定。雇用形態は正社員で、給与(年俸)は「330万~400万円程度」となっている。

   ネット上でどよめきが起こったのは330万~400万円程度という年収だ。

「ロクに勉強せず現在居酒屋配送のワイですら330万は稼ぐのに、必死に勉強して司法試験受かってこれなんか...」
「この条件だとどこにも行けなかった無能しか集まらんぞ」
「王将規模の会社が出す金額としては0がひとつ足りないだろ」

などといったことが掲示板に書き込まれた。また、今は弁護士にとって冬の時代だから、この年収でもしかたがない、という声もあり、

「新規開業した弁護士なんて年収200万円台取れりゃマシな方だぞ。開業してもすぐ潰すような奴もいるんだから条件としてはかなりいい方」

などといった感想を漏らす人もいる。

   J-CASTニュースは王将フードサービスにどのような理由からこの年収設定になったのかを取材した。

「弁護士資格を持つ人へ向けた内容ではない」と強調

   王将フードサービスは18年2月19日に文書で回答し、

「(募集広告に記載されているものは)あくまで企業法務における法務課社員の募集の内容です」

とした。年収は、一般的な中途入社者の初任給の平均的な金額を記載しているという。ただし、最低保証の趣旨で年収を記載したけれども、それが誤解を招く原因になったと考えていて、「最低保証である」ということを追記する予定だとし、弁護士資格を持つ人へ向けた内容ではない、ことを強調した。

   募集欄に「弁護士」とはっきり記載されていることについては、資格を持つ人が正社員として入社し、活躍している例が多くあることを考慮し、弁護士にも向けたものでもあるのは間違いない、とした。

「弁護士資格を持ち、弁護士事務所や企業勤務実績のある方からの応募者に対しては、従前の収入額を考慮するなど、柔軟な年俸提示をしております」

と回答した。つまり、一般の正社員とは別枠で年収を決める、ということだ。

   ちなみに、16年に法務省が調査発表した15年の弁護士の平均年収は、登録1年目が568万円、5年目は1412万円、10年目は2251万円、15年目は3085万円で、5年前の10年に比べそれぞれ年収が27%、35%、15%、16%ダウンした。その背景に「弁護士余り」を指摘する声もある。

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