「商品先物取引」って本当に「怖い」の? 取引所と取引会社に「キホンのキ」から話をきいた

提供:第一商品

   「商品先物取引」は一般にはなじみの薄い投資方法だ。かつては「怖い」という負のイメージもついていたようだが、FXなどのレバレッジ投資の普及に伴ってマイナスイメージは消えつつある。しかし、投資しようとしても何から手をつけたらいいのか、取引実態を含めてJ-CASTニュースが取材した。商品先物取引の中で代表的な「金」に着目し、東京商品取引所(TOCOM=トコム)の情報発信基地「TOCOMスクエア」でナビゲータを務める山本郁(かおる)さんと、実際に投資家からの注文を受けている第一商品の羽馬(はま)ゆきえさんに、「キホンのキ」から話を聞いた。

商品先物取引は「FXや株式と同じように金融商品の1つとして定着」

   商品先物取引を取り巻く環境はどのように変化したのか。まずはTOCOMスクエアナビゲーターの山本郁さんに話を聞いた。

TOCOMスクエアナビゲーターの山本郁さん
TOCOMスクエアナビゲーターの山本郁さん

――TOCOMはどのような役割を担っているのでしょうか?

山本郁さん:TOCOMは、商品先物市場を運営しており、価格形成機能、価格変動のリスク・ヘッジ機能、現物の受け渡し機能を提供することで産業インフラとしての重要な役割を担っています。投資家にとっての資産運用機能も担っており、投資家は商品先物取引の価格変動で差益を得ることができます。また、商品先物取引法やTOCOMのルールにもとづき、公正な取引の確保や、投資家保護のための自主規制業務も行っています。

――公的機関とはどのような関係がありますか?

山本:商品先物取引は経済産業省と農林水産省が監督官庁になっています。金や石油といった工業品は経済産業省で、農産物は農林水産省の所管です。

――昔は商品先物取引に対してマイナスなイメージがあったと聞きますが、どんな時代だったのでしょうか?

山本:確かに昔は、一部業者の営業姿勢によって商品先物取引が誤解を受けるようなことがあったのは事実だと伺っています。ただし、現在このような業者は淘汰されており、商品先物取引はFXや株式と同じように金融商品の一つとして投資家に定着しています。

商品先物取引の取引高は2003年をピークに、「勧誘規制」の強化などにより減少傾向が続きました。ですが、ここ最近はインターネット取引などの利便性の高い市場環境の整備が業界をあげて行われ、取引高が回復しつつあります。

――「勧誘規制」とは何でしょうか?

山本:「不招請勧誘の禁止」とも呼ばれ、取引を望まない方への訪問や電話による勧誘を禁止するもので、2011年に法律が施行されました。

――取引を十分理解しないと商品先物取引を行うことができないのですね。

山本:そのとおりです。投資家はリスクも含めてしっかりと理解した上で取引を行う必要があります。

商品先物取引のコンテスト最優秀者は「利益率296.37%」

東京商品取引所の立会場。ここで売買取引が行われている
東京商品取引所の立会場。ここで売買取引が行われている

――商品先物取引にはどのような利点がありますか?

山本:取引の担保として預ける証拠金は日本商品清算機構(JCCH)が管理しており、仮に商品先物取引業者がデフォルト(債務不履行)した場合でも、投資家には預けた分の証拠金が返還されます。金銭管理の面で保証されているのは取引の上で安心できる点です。

また、商品は株や債券といった他の金融資産と相関性が低く、違う値動きをする傾向にあります。そのため自分のポートフォリオ(資産構成)の中に商品を組み込んでおくと、リスク分散につながります。

――逆に商品先物取引のリスクは何でしょうか?

山本:一番のリスクは、メリットと表裏一体の関係にある「レバレッジ効果」です。「レバレッジ効果」は、予想が当たれば大きな利益を得られますが、逆に予想が外れた時には大きな損失を招くことになり、リスクにもなり得ます。このため、投資家にとっては資金管理が重要となります。

「決済期限」もリスク要因です。金などの貴金属なら1年という決済期限が設定されており、現物受け渡しをする場合を除いて、買いで取引したら売る(転売)、売りで取引したら買う(買い戻し)という反対売買で期日までに決済しなければなりません。決済期限の間近になると市場参加者が減るので、意図しない価格で決済せざるを得ないことも起こり得ます。

――実際に商品先物取引で「儲かっている」人はいますか?

山本:よく商品先物取引は個人でやっても儲からないと言われますが、実際はそんなことはありません。TOCOMでは商品先物取引の普及啓発を目的に、2017年6月から8月までの2か月半の期間で利益率を競う「リアルトレードコンテスト」というものを実施したところ、約200名が参加し、最も優秀だった方の利益率は296.37%に達していました。

――個人投資家にとっては株も商品先物取引も一緒なのでしょうか?

山本:そうですね。商品先物取引を行うにあたっては、株式投資と同様、マーケットを動かすさまざまなファンダメンタルズ(需給統計など)の情報収集が必要です。TOCOMスクエアでは、市況やコラムなど投資家にとって有益な情報を毎日、ツイッターとEメールで発信しています。詳細はTOCOMスクエアのホームページ をご覧ください。
資料請求はこちら

少額の「証拠金」を預けることで多額の取引ができる「レバレッジ効果」

   先物取引は、金など特定の商品を将来の期日を決めて、その時点までに売買する、という取引方法。具体的には、期日までに「反対売買」を行う。つまり、最初に買う契約をしていれば期日までに売ることになり、逆に最初に売る契約をしていれば買うことになる。精算は「現在の契約時の価格」と「将来の反対売買時の価格」との「差額」だけのやりとりで取引を終了させる(「差金決済」という)。

   次に、実際に取引している方と日々接している第一商品の羽馬ゆきえさんに聞いた。

第一商品 日本橋支店 主任の羽馬ゆきえさん
第一商品 日本橋支店 主任の羽馬ゆきえさん

――先物取引にはどのような特徴がありますか?

羽馬ゆきえさん:先物取引は、価格が「上がる」か「下がる」かを予測して利益を狙う投資方法です。買って値上がり益を狙うのが通常の投資ですが、先物取引では下がると予測したら先に売り、将来安い価格で買うことで、差額分の利益が得られるのが大きな特徴です。つまり値下がりする局面でも利益を得るチャンスがあります。

加えて、少額の「証拠金」を預けることで多額の取引ができる「レバレッジ効果」があるのも特徴です。

――「証拠金」や「レバレッジ効果」とは何ですか?

羽馬:「証拠金」とは契約の担保となる元手資金のことです。その金額は、日本商品清算機構(JCCH)が商品ごとに設定し、それを下限として各取引会社が独自に決めています。第一商品の場合、金1枚(取引の最小単位。金は1枚=1キログラム」)あたりの証拠金は9万9000円(2018年1月16日時点)です。

たとえば金の相場が「1キログラム=500万円」の時を考えますと、金の先物取引では「証拠金」の9万9000円を預ければ1キロ(500万円分)の取引が可能となります。この場合は元手が約50分の1で済むということですね。買っておいて金の価格がたとえば1キロ520万円になった時に売れば、差額の20万円の利益が得られます。元手の9万9000円に対しては、約200%の利益率(元手が3倍)となります。

このように、少額の元手でその何十倍もの金額の取引ができることを「レバレッジ効果」といいます。そのため、商品先物取引はハイリスク・ハイリターン取引とも言われます。

――最初に預けた証拠金以上のお金を支払う可能性もあるのでしょうか?

羽馬:先ほどとは逆に、買っておいた金が値下がりし、預けてある証拠金の担保力が不足した場合、追加の証拠金(専門用語で"不足金"という)を預託しないと取引を続けられなくなります。先物取引に対して「いくら損するか分からない」という漠然としたイメージだけで「怖い」と思われている方もいますが、その理由の1つは、少額の元手で多額の売買ができる分、損失時の負担も大きくなるところにあります。

――そのようなリスクは管理されているのでしょうか?

羽馬:まずはお客様がお取引を始める前に、お客様の資産状況や仕組み・ルールの理解などを厳格に審査しています。その時に「投資可能金額」という、そのお金がなくなっても生活に支障がない上限額をお客様に決めて頂き、その範囲内でお取引して頂くことになっています。かつてはメリットばかりを強調しすぎてトラブルになったケースもあったようですが、現在はルールが整備され、過大な取引にならないようにリスク管理体制がしっかり取られています。

――なるほど。では先物取引を行うにあたり、数ある商品の中で「金」を選ぶメリットは何でしょうか?

羽馬:金は24時間世界中で取引されている国際商品なので取引量が多く、歴史も非常に長いので、情報が豊富です。そして金には「商品」だけでなく「通貨」としての顔もあるため、商品の中でも価格変動が安定しています。また、買った後に値段が下がってしまった場合、差金決済をせず、期日に現物で受ける「現受け」もできます。穀物や原油では個人の現受けは事実上不可能です。

商品先物取引には穀物、原油、ゴムなどいろいろありますが、たとえば穀物の場合は「天候」の善し悪しで急に乱高下することもあり、相場予測の難易度が高いと言えます。

また、株式の場合はその会社が倒産すれば価値がなくなりますし、上場銘柄数が多いため値上がりするのは「どの銘柄か」を考えるのが手間だという方もいるでしょう。一方、値下がり時も利益チャンスがある金先物なら「上がるか下がるか」を判断するだけなのでシンプルです。初心者でも始めやすいと言えます。

――逆に、金先物取引のデメリットはどういったものがありますか?

羽馬:先ほどもお話しましたが、金には「商品」としての顔だけでなく、「通貨」としての顔もあります。他の商品と同じように需要と供給の分析が根底にはありますが、「通貨」の顔を持つことから価格変動の要因が多岐に渡ります。為替、株価、金利、及び世界経済や地政学リスクまでもが変動要因になりますので、時に予測が複雑になります。

――金先物取引では、他にどういうことを念頭に置いておく必要がありますか?

羽馬:「増やすは先物、守るは地金(じがね)」というイメージです。私のお客さまには、将来の円安・インフレ・消費増税に備え、資産保全目的で価値の安定した地金を買っておいて相場を見つつ、レバレッジ効果のある先物で短期的な利益を得たいというスタンスの方が多いです。地金は長期的、先物は短期的な取引という使い分けですね。

金先物取引の取引期限は最長1年です。ですから、まず1年間でどの程度動くかを統計的に把握しておくことをおススメします。当社では年間変動率(※)という指標を使ってお客様に説明することが多いのですが、金の長期平均は約25%です。上場36年分の各年のデータでみても、1年間で2倍や半値になったケースは一度もありません。各資産の年間変動率を比較すると、大体「個別株>日経平均>商品全般>金>通貨>債券」という関係が成り立ちます。つまり、金価格の変動は比較的安定しているため、上値と下値のメドがたてやすく、リスク管理をしっかり行えば初心者でも利益を出しやすい銘柄ではないかと思っています。

※年間変動率=年間変動幅÷年初始値×100%

顧客から「次また取引をする時はあなたがいい」

第一商品 日本橋支店のロビー。相場情報のほか、新聞、経済雑誌、関連書籍などが閲覧できる
第一商品 日本橋支店のロビー。相場情報のほか、新聞、経済雑誌、関連書籍などが閲覧できる

――第一商品の強みは何でしょうか?

羽馬:全国主要都市の1階に店舗を構え、対面によるコンサルティングサービスを提供しています。また24時間体制で世界のマーケット情報を発信する専門部署「フューチャーズ24」のアナリストが、ネット・FAX・電話を通じて、市況情報や分析レポートを提供しています。また毎月第三土曜日にはセミナーを開催し、金相場の見通しや先物取引の具体的な運用法について解説しています。

第一商品は1982年の金先物市場開設時から36年以上、金をメインに扱っている老舗です。情報量と分析力には自信を持っています。

――実際に取引を始めたい時は、具体的にどうすればいいのでしょうか?

羽馬:まずはお気軽にフリーコール(0120-431-561)までお電話ください。店頭へお越しいただくのもオススメです。当社では、商品先物取引のイメージ向上のため、店頭整備を含め様々なサービスをご提供しています。私たちが全力でサポートさせていただきますので、ぜひ一度ご来店いただければ幸いです。
第一商品 日本橋支店の外観。オレンジの看板が目印だ
第一商品 日本橋支店の外観。オレンジの看板が目印だ

――顧客とのコミュニケーションを大事にされているということでしょうか?

羽馬:その通りです。取引される方とは「二人三脚」です。私はよく先輩に「先物取引は人間取引だ」と言われました。プラスになればお客様も担当者も嬉しいですし、ご紹介を頂くこともあります。そういったコミュニケーションも、対面取引ならではの面白さです。あるお客様からは「担当者との会話が毎日楽しみで仕方がない」という感謝の声もいただきました。また、別の弊社の者の話では、マイナスになったお客様から「次また取引をする時は、あなたがいい」と言われたそうです。

――羽馬さんの担当で最も長期の顧客はどれくらいの期間続けていますか?

羽馬:私は2000年度の入社以来お付き合いしているお客様がおりますので、17年になります。あとは私の経験ですと、投資を生活の一部としている方もいます。朝起きたら「海外の昨日の値段を教えてほしい」と連絡を頂き、ご説明した上で「これからこういった値動きになるのではないでしょうか」とお伝えするというのが日課になっています。サラリーマンのお客様ですと、出勤途中で電話をかけられ「今日はどのような感じか」と聞かれることもあります。

――お話を聞いていると、楽しそうに取引されているように感じます。

羽馬:そうですね。実際にお取引頂ければ、商品先物取引の良さを分かってもらえるのですが、昔の悪いイメージのままで、興味はあっても取引に二の足を踏んでいる方が多いのも事実です。実際はFX(外国為替証拠金取引)とほとんど同じ仕組みです。ですので、弊社のお客さまからのクチコミで商品先物取引の魅力が世の中に広がっていくように日々努力しています。もちろん利益の追求が第一ですが、安心して楽しんでいただきたいという意識をもってお客様に対応しております。

取引に少しでもご興味がありましたら、弊社オリジナルの資料を無料でさし上げておりますので、お気軽にお申し込みください。
資料請求はこちら
重要事項のご説明

・金取引には、先物と現物があります。
・金は相場商品のため、価格が変動します。
・商品先物取引は、取引額が当社必要証拠金に比べて最高でおよそ47倍と大きいため、短期間で大きな利益を得る可能性がある一方、お預り証拠金を上回る損失リスクがあります。又、相場変動により追加預託が必要となる場合もあります。お取引を始める前に契約締結前交付書面をよくお読みになり、取引内容を十分ご理解の上、ご自身の判断と責任によりお取引下さい。
・当社必要証拠金の額は1枚当たり最高で188,000円、手数料は1枚当たり最高で24,840円(税込)となりますが、相場の変動により変更される場合もあります。詳しくはその都度ご確認下さい。(平成30年2月16日現在)
・当社の企業情報は本・支店及びホームページ、並びに日本商品先物取引協会のホームページでご覧になれます。
・当社お客様相談窓口 0120-770-266(平日 8:30~17:00)
・日本商品先物取引協会相談センター 03-3664-6243
・お客様の個人情報は当社の取扱商品やサービス・イベント等のご案内の他、当社の利用目的の範囲内で利用させていただきます。
・当社のセミナーでは商品先物取引の勧誘及び商品説明をさせて頂く場合があります。予めご了承下さい。

※個々の商品に対する投資に際しましては、ご契約の前に交付される書面をよくお読みいただきますようお願いいたします。

加入協会/日本商品先物取引協会
商品先物取引業者
第一商品株式会社 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町9-1
姉妹サイト