お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史さん(47)がバラエティ番組「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系、めちゃイケ)で「『嫌なら見るな』と言ってしまって申し訳ありませんでした」と謝罪したことが、インターネット掲示板などで波紋を広げている。
岡村さんの発言がフジテレビへの風向きを変えた――。お笑い芸人の加藤浩次さん(48)がそう述べ、岡村さんはこれを受け謝罪した形だ。一方、ネット上では「単純に面白い番組が、少なくなったからだと思う」との声も。
「見いひんねやったら、見いひんかったらええのよ」
2018年2月17日放送の「めちゃイケ」では、元AKB48の渡辺麻友さんが、加藤さんによるコント「爆裂お父さん」の最終回にゲストで登場。13年の同コーナーで加藤さんに顔を踏まれたことを回顧し、「AKB人生においてもターニングポイントだった」と語った。
この発言に、岡村さんが「めちゃイケ的にもターニングポイント。あれくらいからだよね。『めちゃイケ』が叩かれ出したの」と冗談交じりに話すと、加藤さんは「いいのか、隆史。ラジオで『嫌なら見るな』って言ったよね。あれは相当ヤバいよね」とコメント。
「世の中的に『フジテレビまで見るな』ってなっちゃって、フジテレビの風向きがガーッと変わったんだから」
とツッコミを入れた(画面下には「フジテレビはそんなこと1回も言っていません」とのテロップが表示された)。
岡村さんと加藤さんはその後、「『嫌なら見るな』と言ってしまって申し訳ありませんでした」とカメラ目線でお詫び。深々と頭を下げると、スタジオには約3秒間の沈黙が流れた。
この「嫌なら見るな」発言は約6年半前、11年8月のラジオ番組までさかのぼる。岡村さんは番組で、俳優の高岡奏輔さんがツイッターでフジの韓流偏重姿勢を批判した問題に触れ、
「見いひんねやったら、見いひんかったらええのよ。ただそれだけのことやのに、何で皆に言う必要あるのかと思ってしまう」
とコメント。その上で、
「簡単なことなのよ、電気代しかかかってないねんから、テレビなんて。ペイパービューやったらまだしも、タダで見てんねんから電気代以外は。もうやめよう、ツイッターとか」
と持論を展開した。
フジの黄金期を象徴
当時の岡村さんには、フジテレビのイメージが根強かった。メインMCを務める「めちゃイケ」が1990年代後半から2000年代にかけ、押しも押されもせぬ局の看板番組として君臨。まさにフジの黄金期を象徴するタレントの1人だった。
そんな岡村さんが11年、「見いひんかったらええ」と高岡さんを批判したことは、ネット上の一部でフジ側の主張を代弁しているかのように受け取られ、フジ批判の火に油を注ぐことに。
かつて異例の視聴率33.2%(04年10月)を記録するなどした「めちゃイケ」。だが10年以降、岡村さんの体調不良による5か月間の休養、それにともなう新レギュラーの加入......と環境が変化するにつれ、視聴率も低下。皮肉にも、視聴率低迷が深刻な局を象徴する存在となった。
そんな同番組も18年3月、21年超の歴史に幕を下ろす。岡村さんがその直前に謝罪したことで、ツイッターやネット掲示板には「遅すぎ」「その謝罪自体もう見てないから」「謝る必要はないと思う」とさまざまな声が上がっている。
一方、加藤さんの言うように、この発言がフジテレビへの風向きを変えるきっかけだったか、については
「あの発言なくてもフジテレビはだめになってた」
「面白い番組があれば見てるよ。単に、無いから見なくなっただけ」
「めちゃイケ終わるのはその発言関係なく面白くなくなったからだし」
などの指摘が出ていた。