新社長は「異例の経歴」 日本生命が描く成長戦略

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守りから攻めに

   しかし、安堵したのもつかの間、今度は日銀が2016年1月に導入を決めたマイナス金利政策が生保業界を直撃した。超低金利で資産運用環境が極めて厳しくなる中、筒井氏は中期経営計画を急きょ修正。17年度から4か年の新たな新計画を策定し、M&A(企業の買収・合併)に5000億円を投じることなど、収益強化策を打ち出した。

   守りから攻めに転じた筒井氏が、満を持して後任に抜擢したのが、日生社長としては初となるアクチュアリー有資格者の清水氏だった。清水氏はリスク分析や商品開発といった専門分野に明るいだけでなく、総合企画部長や資産運用部門の担当役員も歴任。筒井氏は記者会見で、清水氏について「人口減少や超低金利という転換期のかじ取りを任せるに足る人材」と太鼓判を押した。

   だが、新社長が背負う課題は大きい。国内市場は縮み、日生が得意とする「生保レディー」による営業攻勢で契約が伸びた時代はとっくに終わっている。ライバルとの競争が激しい中、ガリバーの地位を死守するためには、海外展開を含め、より大胆なM&Aも必要になりそうだ。環境激変に対応した成長戦略をいかに描くか、清水氏の手腕がさっそく試される。

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