2016年秋の米大統領選でトランプ陣営に対してロシアの関与があったとされる、いわゆる「ロシアンゲート」(ロシア疑惑)をめぐり、トランプ大統領が2018年2月17日深夜(米東部時間、日本時間18日午後)、「ロシアとの癒着はない」と改めて疑惑を否定した。
ロシア疑惑を捜査している米連邦捜査局(FBI)は、2月14日に南部フロリダ州で17人が犠牲になった銃乱射事件の容疑者に関する事前通報を放置していたとして陳謝したばかり。トランプ氏はFBIの対応を「非常に悲しい」としながら、ロシア疑惑の「証明に時間を使いすぎ」だと指摘した。乱射事件に乗じる形でロシア疑惑への捜査の中止を求めたともとれる発言だ。
「トランプ氏は、普段は示唆していることを明示的に言った」
フロリダ州の乱射事件をめぐっては、元生徒のニコラス・クルーズ容疑者(19)の殺人願望や学校襲撃の可能性があるとする知人からの通報が1月時点でFBIに対して寄せられていたが、追跡捜査は行われなかった。適切に対応していれば事件は防げた可能性もあり、FBIのレイ長官は2月16日、不手際を求めて陳謝する声明を出した。
「フロリダの学校襲撃事件の犯人が出していたシグナルを全てFBIが見逃していたというのは非常に悲しいことだ。これは受け入れられない」
とFBIを非難。直後に
「ロシアとトランプ陣営の癒着を証明しようとして時間を使いすぎだ。癒着はない。基本に立ち返って皆の誇りを取り戻すべきだ」
と続けた。この書き込みでは、トランプ氏が直接的に捜査の中止を求めたわけではないが、トランプ氏への返信の中には
「トランプ氏は、普段は示唆していることを明示的に言った。ロシア疑惑の捜査をやめさせたい、ということだ」
といった声も出ている。