「羽生竜王の手が震えてますね」 藤井五段、常に優勢で歴史的勝利

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   羽生善治竜王(47)と藤井聡太五段(15)の公式戦初対戦は、解説者が「いや凄い勝負だ」とうなるほどの緊迫した戦いになった。

   藤井五段の歴史的勝利に、ネット上では、驚きの声が相次いでいる。

  • 藤井聡太五段(画像は日本将棋連盟の公式ウェブサイトより)
    藤井聡太五段(画像は日本将棋連盟の公式ウェブサイトより)
  • 藤井聡太五段(画像は日本将棋連盟の公式ウェブサイトより)

羽生も意表を突く手で、「ギリギリの勝負」に

   「表情ですか? 普段と変わらないと思います」。2018年2月17日に都内で行われた朝日杯将棋オープン戦の準決勝が始まると、解説した谷川浩司九段は、2人についてこう述べた。2人の対局は、Abemaテレビで生中継された。

   羽生竜王は、首を振りながら考え込み、藤井五段は、腰を据えて将棋盤をじっと見つめる。先手の藤井五段は、最初から積極的に攻め、戦いの主導権を握った様子だ。これに対し、羽生竜王も猛反撃し、意表を突く位置に銀の駒を置く。谷川九段も「羽生竜王は、視野が広いですね」と驚いたほどだ。

   終盤戦に入ると、さらに「ギリギリの勝負」になった。藤井五段が歩の駒で王手をかけるなどすると、羽生竜王は険しい表情になり、谷川九段に代わって解説に入った中村太地王座は「羽生竜王の手が震えてますね」と言う。そして、「迫力がありますね。いや凄い勝負だ」とうなった。

   藤井五段は、詰め将棋で鍛えた終盤の強さに定評があり、持ち時間をかなり使ってしまったものの果敢に攻め続けた。

「まだ何があるか分からない」「凄い難解な局面です」

「凄い瞬間がやってきますね」

   羽生竜王も次々に渾身の手を打つが、藤井五段は、落ち着いているように見えた。

「これは藤井五段、勝ちの局面になったと思います。凄い瞬間がやってきますね」

   中村王座が興奮気味に話し、「羽生竜王は、自身の負けを悟って......」と続けるや、「負けました」と羽生竜王は頭を下げた。藤井五段も、一瞬空を仰いで感無量の様子で、約600人が詰めかけた会場からは大きな拍手が沸き起こった。

   藤井五段は、午後から決勝戦に臨み、15歳6か月という史上最年少での棋戦優勝を目指す。

   歴史的勝利を伝えるヤフーニュースのコメント欄には、「なんということでしょう 中学生が国民栄誉賞に勝利してしまいました」「普通にレジェンドになると思う」「マジか・・なんかショックだ・・」といった声が書き込まれている。

   追記(2018年2月17日16時50分):藤井五段は17日午後、決勝戦で広瀬章人八段(31)を破り、15歳6か月という史上最年少での棋戦優勝を成し遂げた。同時に、史上最年少での六段昇格も果たした。

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