平昌五輪フィギュアスケート男子シングル、フリースケーティング(FS)で米国のネイサン・チェンが4回転ジャンプに6回挑戦し、うち5回を完璧に成功させた。
優勝候補ながらショートプログラム(SP)でミスを連発し17位と出遅れたが、フリーで圧巻の演技。前回ソチ五輪での浅田真央を彷彿させた。
「ネイサン・チェンは歴史を作った」
2018年2月17日に行われた平昌五輪のフリーで、ネイサンはプログラムに8つ組み込んだジャンプのうち4回転が6つ。最初の4ルッツを綺麗に着氷すると、4フリップ+2トウループのコンビネーションも成功。次の4フリップは手をつくも転倒せずにこらえた。
ヒヤリとさせたがその後まったく動揺していなかった。基礎点が1.1倍になる演技後半には、4トウループ+3トウループのコンビネーション、4トウループ、4サルコウを次々に決めた。ラスト2つの3アクセル、3フリップ+1ループ+3サルコウも成功。大きなミスなく滑り切り、「4回転の申し子」ぶりを遺憾なく発揮した。演技後は小さくガッツポーズし、顔を手で覆った。
フリーの得点は215.08点。うち技術点(TES)は驚異の127.6点だった。これは、フリーの歴代最高223.2点を記録した17年世界選手権での羽生結弦の技術点126.12点を上回る。米国フィギュアスケート協会はツイッターで「6回のクワド(4回転)。ネイサン・チェンは歴史を作った」と称えている。