YouTuberが広告収入を得るための「パートナープログラム」に参加するための条件が、2018年2月20日から変わる。「チャンネル登録者数1000人以上」「過去12か月の総再生時間が4000時間以上」という従来よりも厳しい審査基準が設けられる。
この変更に悲鳴を上げているのが、上記の新基準を満たせていない「駆け出し」のYouTuberたち。何とかして広告収入を得たいYouTuber同士が、互いのチャンネルを登録し合う動きまで出ているのだ。
「このままだとYouTuberクビになりそう」
YouTubeは1月17日、ユーザーが投稿した動画から広告収益を得るために必要な「パートナープログラム」の利用条件の変更を発表した。
これまでは、投稿された動画の総再生回数が1万回以上であればプログラムを利用できたが、2月20日以降は冒頭に挙げた2つの条件を満たすことが必要になる。現時点でプログラムを利用しているユーザーであっても、新条件を満たしていない場合は利用が停止される。
プログラムの参加基準を厳しくした理由について、YouTube側は公式サイト上の「クリエイターブログ」欄で、悪意のある動画や不適切な動画の収益化を防ぐため、などと説明。その上で、
「この変更はコミュニティを保護するために必要な措置であると考えています」
と理解を求めていた。また、今回の変更で影響を受けるチャンネルのうち99%は、年間の収益が100ドル(約1万円)未満だとも付記していた。
こうした変更の通知を知ったYouTuberからはツイッターに、
「このままだとYouTuberクビになりそう」
「『お前はユーチューバーとして失格だ!』というYouTubeからの解雇通知が届いた(ようなものだ=編注)。終わった」
「これってすごく高いハードルではないか?ほとんどの弱小YouTuberが弾かれると思われる」
といった悲鳴が続々と上がることになった。
「#相互チャンネル登録」盛り上がる
さらに、新基準の適用が間近に迫った2月中旬頃からは、「チャンネル登録者数1000人目指してます!皆さんの協力が必要です!ぜひチャンネル登録をお願いします」などと助けを求めるツイートを投稿するYouTuberの姿も目立っている。
そんな中、チャンネル登録数が1000に満たないYouTuber同士が、収益基準の変更に対応するために助け合う動きも出ている。実際、ツイッターでハッシュタグ「#相互チャンネル登録」を検索すると、
「YouTubeの新基準登録者1000人超えるように皆で協力しましょー」
「1000人目指して頑張りましょう!相互登録お願いします」
「相互登録もするのでどうかチャンネル登録よろしくお願いします(略)#拡散希望 #助けて」
との投稿が数多くヒットする。
16日昼に新基準を満たしたばかりだというあるYouTuberはJ-CASTニュースの取材に対し、今回の基準変更について「不満です。YouTubeのパフォーマンスでしかない」と憤りを露わにする。
「時間や人数に制限をかければもっと派手に目立ち短期でアクセスを稼ぐやり方を増やすだけ」
また、今回の変更で新たなクリエイターがYouTubeに参入しづらくなるのではないか、などとして、「世界中に動画サイトは存在します」「YouTubeが今後ブランドを守り維持していけるのか疑問」と懐疑的な見方も示していた。